Intelはバスのルートに乗り続けるつもりだ。
同社幹部はIntel Developer Forum(IDF)のCoreアーキテクチャに関する説明の中で、同社のバスアプローチはまだ持続できると主張した。このアプローチは、プロセッサとメモリを直接接続するのではなく、一連のパイプラインと分離型のコントローラを使ってプロセッサとメモリ間でデータをやり取りするというものだ。
Intelの現行のプロセッサとそれを支えるプラットフォーム設計は、バスと、チップ上にデータを保存する大容量のキャッシュを組み合わせて使っている。
このアプローチはライバルのAMDから、特に消費電力の点で効率が落ちると批判されてきた。
電力はIntelのすべてのプロセッサとシステムプラットフォーム設計において最優先事項になっていると、多数の同社幹部がIDFで語った。
しかし、「全体に目を向けると、(分離型メモリコントローラを含む)現行の設計にはまだかなりの余地がある」とIntelのアーキテクチャ・プランニング部門ジェネラルマネジャー、スティーブ・ポロウスキー氏はブリーフィングで語った。
Intelにはバスベースのシステムプラットフォーム設計に関する長年の経験があると同氏は話す。これにより同社は、迅速にプラットフォームを市場に送り出せるという。
それでも同社は、メモリコントローラをプロセッサに統合するべきかどうか検討してきた。同社は低価格PC向けプロセッサ「Timna」でそうするつもりだったが、同プロセッサは開発が中止された。そして最近では、最初の世代のCoreアーキテクチャ採用プロセッサに統合するかどうかを検討している。
これらのプロセッサは性能が数十%向上し、デスクトップやサーバの消費電力を大きく減らすだろう。
しかし、「これまで見てきたように、今のところ、バスアプローチはこれらプロセッサの妨げになるわけではない」とポロウスキー氏は、サーバプラットフォーム「Bensley」を例に挙げて語った。
Bensleyは最新のXeon DPプラットフォームで、独立した2本のバスと1対のメモリチャンネルを使ってFB-DIMM(Fully Buffered DIMM)に接続している。Bensleyを採用したサーバは5〜6月に登場する見込みだ。
「2本のバスとFBチャンネルの総帯域は等しい」と同氏は言う。幾らかのオーバーヘッドがプロセッサ間の信号から生じる。
だが、「大半の処理では、メモリ(帯域)はまだボトルネックではない」とポロウスキー氏は言う。
Intelがいつかの時点でバス設計を変えたり、メモリコントローラを統合したりしないということではない。同社は以前からサーバ向けのアプローチを変えると発言してきた。
「技術やトレンドが進んでいることは分かる。われわれはそれに目を向けなければならないだろう。その時が来れば、必ずそれを受け入れる」(同氏)
Intelが今後投入するサーバ向け「Tigerton」プロセッサは、新しいタイプのバスを採用する。同社はこれをポイントツーポイント接続と説明している。
ただし同社は、このアプローチはオンチップメモリコントローラを追加する必要はなく、同社が将来版Itanium向けに設計している新世代のインターコネクトでもないとしている。
Intelが2008年に投入する「Tukwila」の後継プロセッサ「Poulson」は、この新しいインターコネクトを採用する最初のプロセッサになるという。このインターコネクトは、Poulsonとメモリなどのコンポーネントを接続することになる。
このインターコネクトは、Poulson投入時にItaniumとXeonの両方で使われるとIntelは示唆した。
しかし、同社の広報担当者は、このインターコネクトの仕組みについてのコメントを控えている。
それでも、ポロウスキー氏のコメントから考えると、同社のx86プロセッサのほとんどがバスと分離型のメモリコントローラを使い続けるようだ。
現時点では、「重要なのは、投入できる技術をできるだけ迅速に市場に投入する力だ」と同氏は語っている。
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