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Boot Campに欠けているもの

» 2006年04月18日 09時52分 公開
[Steve Bryant,eWEEK]
eWEEK

 Macユーザーは、AutoCADやMicrosoft Project、VisioなどのWindowsのみに対応したアプリケーションがMacで動く日を長らく待っていた。

 「これらは、Macに欠けている本当に重要なアプリケーションだ」とクロスプラットフォーム開発企業Atimi Softwareのプロフェッショナルサービス担当ディレクター、スコット・マイケルズ氏は言う。

 だが、AppleはBoot CampでWindowsの利用をはっきりと支持しているものの、ソフトのサポートはしない意向だ。その上、大手ソフトベンダーにはまだ、Boot Campを走らせているIntelベースMacで自社製品のテストを行う計画はないようだ。Microsoftの担当者は、Apple顧客はWindowsが実行できることに喜んでいること、Boot Camp上で自社ソフトをテストする予定はないことを語るにとどめ、それ以外のコメントを控えている。

 Autodeskの広報担当者は、サポートの問題は解決していないと語る。「この問題はつい最近出てきたことだ。まだ話せる段階にない」

 Adobe Systemsのプラットフォーム事業部門副社長兼チーフソフトウェアアーキテクト、ケビン・リンチ氏は、Boot Campは同社の開発作業に影響しないと語る。同社は今後もMac OSとWindowsの両方に向けてソフトを開発するつもりだ。

 Atimiのマイケルズ氏は、ベンダー各社がまだBoot Camp上で自社アプリケーションをテストしないのは、サポートコストを避けるためだと話す。「何らかの理由でアプリケーションが動作しなかったら、サポートコストが増えてしまう」

 このためユーザーは、問題があったときにどのベンダーに電話すればいいのだろうかと悩んでいる。「Core DuoでSolidWorksを実行できるだろうか? 3Dモデリングに必要なOpenGLのフルサポートを提供するドライバが、SolidWorksにあるだろうか?」と米ウィスコンシン州に住む機械設計者トーマス・ハーベイ氏は問いかける。

 だが、希望の光はある。Windowsを購入したユーザーは、何らかのサポートを受ける権利があるとJupiterResearchのアナリスト、マイケル・ガーテンバーグ氏は指摘する。少なくとも、MacでWindowsを使うユーザーは、OSに関する基本的な支援を求めてMicrosoftに電話をすることはできるはずだ。

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