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いら立ちだらけのウイルス対策ソフト遍歴(2/2 ページ)

» 2006年07月05日 11時37分 公開
[Larry Seltzer,eWEEK]
eWEEK
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 わたしはその特別なPCにKaspersky Antivirus(KAV)をインストールした。上に書いたように、問題が起きたが、なんとか対処できたと思う。初期設定で、わたしは「proactive defense」機能をオンにした。この機能でKAVはデフォルト設定よりもはるかに厳密にプログラムを監視するようになる。この機能をオンにすると、ファイル保存が遅くなる。特にネットワーク上の保存では、ファイルを手書きした方が早いくらいのスピードだ。

 それに、KAVは快適に使えるようにするためには多くの設定が必要だと言わなければならない。とはいえ、いまのところ順調だ。ほかのソフトとの目に見えるコンフリクトはないし、Kasperskyはどこよりも早くシグネチャをアップデートする。

 もちろん、これはつまり同社はアップデートのテストにあまり多くの時間を割けないということだ。実際、先日(たまたまKasperskyベースにしてある)ゲートウェイセキュリティボックスで誤検知(false positive)が発生した。わたしはゲートウェイセキュリティボックスも頻繁に切り替えており、今使っているのはZyXELのZyWALL 5で、定義セットにはわずか800の定義しかない。それなのに、定義の1つはセミオフィシャルのウイルス対策テスト、EICARテストファイル用のものだ。

 友人がEICARテストを含む容量の大きいドキュメントを送ってきた。このファイルはブロックされた。EICARテストは128バイトより小さいという条件でのみ反応するはずなのだが。ウイルス作者はウイルスコードを送る前にEICARテストを使うことがある。受け取る人に「EICAR」と見せ、ファイルが無害だと思わせるのが狙いだ。わたしが友人からもらったファイルは数百キロバイトあった。わたしたちはKasperskyに報告し、同社はEICARのシグネチャを削除した。いずれにしても、800しか定義がないのに、そのうちテストのために68バイトでも無駄にするのはばからしいことだ。

 そういうわけで、もうKasperskyをデスクトップに置いてもいやにならないところまで来たかもしれない。だが、もう少し様子を見よう。わたしは前にBitDefenderのシステムを使ったこともあって、この時はハードウェアが死んだのでもう使っていない。BitDefender自体は比較的無害なのだが、見たくもない表示を幾つか画面に出し、それを削除する方法が分からなかった。

 そしてMcAfeeだ。以前McAfeeベースのゲートウェイデバイスを使ったことがあり、正直言って、そのウイルス対策ソフトは非常に優秀だった。だがしかし! そのデバイスというのはServgateのセキュリティボックスだったが、Servgateは最近死んでいる。このセキュリティボックスの方が、McAfeeのデスクトップ用ウイルス対策製品より相性が良かった。デスクトップ用は煩わしくて、それと分かるほどシステムを遅くする。それに、誤検知問題がある。

 やっぱり全部だめだ。いや、ほとんど全部が。KAVにはまだ希望を抱いている。その主な理由は尊敬している人々がこのソフトを高く評価しているからだ。快適に使えるものを見つけなければならない。オスカー・ワイルドに倣って言えば、世の中でウイルス対策ソフトを使うより悪いことは、ウイルス対策ソフトを使わないことなのだから。

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