「今年は薄型テレビが急速に普及する」――松下電器産業は7月19日、103V型〜50V型の大画面プラズマテレビ「VIERA」4機種を9月1日から順次発売すると発表した。CMに、世界最大のほ乳類・シロナガスクジラを登場させ、その巨大さをアピール。急拡大する大画面ニーズを取り込む。
今回発表したのは、103V型「TH-103PZ600」、65V型「TH-65PZ600」、58V型「TH-58PZ600」、50V型「TH-50PZ600」の4機種。オープン価格で、実売予想価格は順に600万円前後(受注生産のみ)、99万円前後、85万円前後、60万円前後。
それぞれ、新開発のフルハイビジョン(1920×1080ピクセル表示)パネルを採用。高画質化回路「フルハイビジョンPEAKS」を搭載して高画質化した。
大型・薄型テレビのニーズは急速に高まっているという。同社製薄型テレビの今年5月の販売台数は、50V型以上で昨年同月比2.3倍に急増。昨年11月に発売した65V型「TH-65PX500」は、民生用、システム用含めて1万台以上を売り上げたという。
37V型を購入したユーザーが、50V型以上に買い換える動きもあるといい、「市場はさらなる大型化を求めている」と、同社パナソニックマーケティング本部の牛丸俊三本部長は分析。「最終的には国内では、50V型以上が、テレビ全体の30%を占めるだろう」と予測する。
薄型テレビ市場は今年1兆円を超えるといい、世帯普及率も10%を超える見込み。「DVDレコーダーは世帯普及率10%を超えた2004年から需要が急拡大した。同じことが薄型テレビでも、今年から来年にかけて起きるだろう」とし、ラインアップの強化でニーズを取り込む。
「42V型以上は70%がプラズマテレビだ」――牛丸本部長は、大画面市場でのプラズマ優勢をアピールする。液晶テレビも大型化が急速に進んでおり、シャープは8月に65V型「AQUOS」を発売するなど攻勢をかけているが、松下は「地上最大」サイズとなる103V型を発売し、大型化技術をアピール。50V型以上も強化し、液晶の大型化に対抗していく。
「隠れたヒット商品」と牛丸本部長が明かすのは、同社製HDMIケーブルだ。売り上げは30万本を超えたといい、HDテレビと対応機器の接続が進んでいるという。
同社は、VIERAと他機器との相互運用性を高めることで、ユーザーを囲い込む戦略を採っている。新発売の4機種とも、HDMI端子を装備。VIERAのリモコンで、DVDレコーダー「DIGA」や、対応AVアンプなどを操作できる「VIERA Link」に対応した。SDカードスロット(SDHC対応)も搭載し、デジタルカメラ画像や動画のビューワーとしての利用も後押しする。
「デバイスからハードまですべて自社開発でき、ネットワークを完結できるのは松下だけ」――牛丸本部長はこう述べ、総合電機メーカーとしての強みをアピール。薄型テレビの価格低下に対しても、周辺機器を含めた総合力で対抗し、売り上げを維持していきたいとした。
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