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日立、大容量HDDにつながる磁気抵抗効果を確認

» 2006年08月09日 20時27分 公開
[ITmedia]

 日立製作所は8月9日、HDDの大容量化につながる磁気抵抗効果(MR)をHitachi Europeとケンブリッジ大学などが共同で確認したと発表した。1平方インチ当たりの容量を1Tビット以上に高められる高感度磁気ヘッド技術への道をひらくという。

 確認できたのは「クーロンブロッケード異方性磁気抵抗効果」(CBAMR)。ガリウム・マンガン・ヒ素による単一電子トランジスタを作成し、4.2ケルビン(−269度)の条件下で、磁気により電気抵抗が100倍以上変化することを確認した。

 HDDヘッドは、磁気により電気抵抗が変化する磁気抵抗効果を利用してディスクからデータを読み取っている。磁気抵抗効果が大きいほど感度が高く、高密度なディスクにも対応可能になる。現在のヘッドは磁気抵抗効果が数十%のGMR(Giant Magneto-resistive:巨大磁気抵抗)が主流。約400%の効果も得られるTMR(Tunnel Magneto-resistance:トンネル磁気抵抗効果)ヘッドの実用化も進んでいる。

 HDDの大容量化には、ディスクの高密度化に合わせたヘッドの高感度化が欠かせない。新技術は超高密度ディスクに対応できるヘッドの実現につながるものだとしている。成果は「Physical Review Letter」(8月8日号)に掲載された。

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