大半の業界がストックオプションを給与引き上げに置き換える傾向が高まる中、インターネットと電子商取引企業は従業員持ち株制度の採用を拡大している。米ハイテクコンサルティングサービスSyzygy Consulting Groupが8月8日に発表した調査結果により明らかになった。
同社の年次調査「IPO前および未公開の企業の報酬調査」によれば、昨年は従業員持ち株比率が全体に占める割合が15%減少し、前年の17.7%から15.1%へと減じたのに対し、インターネットおよび電子商取引企業は21%に増加した。
「今年の調査結果から、全体的に現金報酬が増えたこと、そしてインターネット関連企業を除いてストックオプションが著しく減少したことが分かった」とSyzygyのデビッド・ブローマン最高経営責任者(CEO)はリリース文の中で述べている。
「ストックオプション制度の採用がこれほど急減したのは初めてだ」(同氏)
創設者ではないCEOの現金報酬は昨年16%急増した一方、持ち株比率は6.2%から4.9%に減じた。
従業員持ち株比率の減少が最も大きかった分野はソフトウェアと製造で、47%から42%だった。生物化学とバイオテクノロジー業界では6%の減少となっている。
特定の条件がそろわない限り譲渡できない、いわゆる「制限付き株式」は従業員による保有株式の11%を占め、企業の24%がこれを採用している。残りの89%は、ストックオプションと株式評価益受益権(SAR)の形式で保有されている。
「Web2.0労働市場における競争のカギはストックオプションであることをデータが示している」(ブローマン氏)
「未公開インターネット企業は付与する株式を増やして幹部候補や起業家型人材を引き入れようとしているのに対し、未公開ソフトウェア企業をはじめとするほかの分野はオプション付与を縮小しており、ストックオプション制度の採用が47%も激減した」(同氏)
さらにブローマン氏は、「公開企業もストックオプションの費用計上義務付け、株式価値の希薄化、ストックオプションのバックデート(株価が底値の日付けにさかのぼってストックオプション関連書類を偽造すること)スキャンダルなどを理由に株式賞与を縮小しており、新時代のドットコム企業が有能な人材を引きつける追い風になっている」とも述べている。
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