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802.11n“プレ標準”認定、2007年前半に開始

» 2006年08月30日 16時22分 公開
[Wayne Rash,eWEEK]
eWEEK

 Wi-Fi Allianceは、新しい802.11n規格のリリースが当初計画されていた2007年3月よりも1年遅れることを認め、いわゆる“プレ標準”製品の認定を2007年前半に開始すると発表した。

 Wi-Fi Allianceは、Cisco、Microsoft、Intelといった大手企業をはじめ、Wi-Fiと関連のあるほぼすべての企業が加盟している。

 「802.11n規格のリリースは2008年3月まで延期された」とWi-Fi Allianceのマネージングディレクター、フランク・ハンツリック氏は語った。「このIEEEの標準化プロセスの遅れと、多数のプレ標準製品を考慮に入れ、われわれは、IEEE標準として規格が承認されるのを待って製品認定を行うという決定が、依然として妥当かどうかを検討した。そして妥当ではないという結論に達した」

 ハンツリック氏は、2008年3月まで製品認定を見送った場合、業界と消費者の両方をあまりにも長く待たせることになると語った。「そこでわれわれは、2段階の認定プログラムを導入する」と同氏。「最初の段階として、802.11nプレ標準製品の認定を2007年前半から開始する」

 「われわれは、レター投票(Letter Ballot)で最初に承認された802.11nのドラフトをベースにする計画だ」とハンツリック氏は、最終的に規格となる内容を含む最初の重要文書を製品認定の基準とすることを説明した。「そのドラフトが規格の土台になる。2007年3月にドラフトが承認されれば、それを認定作業に利用する」

 ハンツリック氏によると、Wi-Fi Allianceは代替計画も持っている。「われわれはそれが承認されなかった場合も認定を行うが、その際はIEEEの最新で最良の作業成果を利用する」

 「第2段階の認定プログラムは、規格が標準として最終承認されるのを受けて実施する。われわれは正式な802.11n規格に即して認定を行っていく」とハンツリック氏は述べた。

 ハンツリック氏によると、Wi-Fi Allianceが1つ懸念しているのは、正式な802.11n規格にプレ標準認定デバイスとの間の後方互換性があるかどうかだ。「われわれは、正式規格で後方互換性が確保されるように働き掛けていく」と同氏は語ったが、その一方でこう警告した。「ただし、完全に保証するのは無責任というものだ」

 ハンツリック氏は、この後方互換性をめぐる計画に、802.11nプレ標準製品として現在販売されている製品は含まれていないと注釈した。同氏によると、メーカーもそのような説明はしていない。「メーカーは、正式規格に対する前方互換性を約束しないように非常に気を付けている」(同氏)

 しかし、ハンツリック氏は、規格の確立前に作られたこうした現行製品に対する購入意欲に水を差すことは望んでいない。「わたしの見たところでは、活発な動きがあるのは家庭用市場だ」と同氏。「こうした製品に飛びつく人の多くは、新しもの好きだ。また、これらは非常に手ごろな値段で販売されている」

 こうした人々は、規格がリリースされた段階で対応製品を使いたければ、1年半後くらいにルータを買い替えることを覚悟しなければならないだろうとハンツリック氏は語った。だが同氏は、ほとんどのホームユーザーや小規模企業にとって、「18カ月ごとにルータを買い替えるのは、大変なことではない」とも話している。

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