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» 2006年10月13日 16時02分 UPDATE

YouTubeの“日米交流”――日本大好きメガネっ子、炎上から復活まで

YouTubeで日米のユーザーが交流し、国境を越えた“炎上”も起きている。日本が好きなある米国人の女の子のビデオは2ちゃんねらーに荒らされて炎上したが、その後たくましく復活した。

[岡田有花,ITmedia]

 日米で人気のビデオ共有サイトYouTubeで、“日米交流”が進んでいる。日本の番組など人気ビデオのコメント欄で、米国人が「このビデオの登場人物は誰? 何て言っているの?」と尋ね、日本人が英語で解説したり、一緒になってビデオを面白がったりする。YouTubeのメッセージ機能を使い、メールでやりとりしているユーザーも少なくない。

 ハワイに住むアメリカ人のサマンサ・モイヤー(サンミ)さん(20)は、日本語で日常を語るビデオをYouTube上にアップし、日本人と交流している1人だ。

画像 サンミさん

 サンミさんはポケットモンスターやセーラームーン、エヴァンゲリオンといったアニメにハマって日本が好きになり、高校生から日本語を学び始めた。進学したハワイ大学では日本語を専攻。昨年9月から大学の留学プログラムに参加し、今年8月まで日本に住んでいた。

 初めてYouTubeにビデオを発表したのは今年7月。「いろんな人が出演して楽しんでるから、作ってみたいと思った。モーニング娘。の『二人ゴト』やアイドルのファンDVDみたいなビデオが好きで、カワイイと思ったので、似てるのを作ってた」という。ただ「自分自身はそんなに面白くないと思う」から、それほど話題になるとも思っていなかったようだ。

 モー娘。のものまねをしたり、日本語で語りかけたり、青汁を飲んだり、料理をしたり――さまざまなビデオをアップしたところ、日本人からたくさんのコメントが付き、2ちゃんねるには専用スレッドが立った。「見てくださる人がたくさんいるということが分かって嬉しかった」とサンミさんは振り返る。

突然の“炎上”

 7月のある日、サンミさんのYouTubeが突然荒らされ、日本語で書いていた日記も削除を余儀なくされた。きっかけは、サンミさんが、極楽とんぼの加藤浩一さんのビデオ(関連記事参照)についてコメントしたビデオだった。

 加藤さんのビデオは当時、YouTubeの視聴回数で1位で、米国人ユーザーも興味を持って再生していた。だがすべて日本語なため、なぜこのビデオが人気か分からなかった一部の米国人が苛立ち、コメント欄で日本人を口汚くののしり、コメント欄は荒れていた。この事態を悲しく思ったサンミさんは、「争いはやめてほしい」というビデオを作ってアップし、話題になった。

 このビデオでサンミさんに興味を持ったのか、2ちゃんねらーと見られる一部の日本人が彼女についてネット上で調べ上げ、日本語と英語で書かれたブログを発見。その中から過去の男性関係について書かれた部分を見つけ出してはさらし上げ、YouTubeのコメント欄や2ちゃんねるなどで中傷した。日本人の彼氏のブログまでさらされ、誹謗中傷で荒らされた。

 サンミさんはコメントで「やめてください」などと書き、自力で食い止めようとした。一部の2ちゃんねらーもサンミさんを擁護したが、中傷はエスカレートし、おさまる気配がなかった。サンミさんは泣く泣くYouTubeをプライベートモードに変更。日本で撮った思い出の写真のアルバムも、友人以外は見られないようにし、日本語のブログはすべて削除した(関連記事参照)。

 「2ちゃんねらーは私の過去のばかりを見て、私が変わったことに気付いていませんでした。私だけじゃなくて、彼の悪口も言っていて……。関係ない人なのに、そこまでするのは最悪だと思いました。彼も結構辛かったので、本当に最悪な気持ちでした」

 「彼も私もすごく苦しくて、同じようなことが二度と起きないように、と思って消すことにしました。日本語ブログを消すことは特に辛かったですが、日付を入れてHDDにダウンロードしておきました」

2度の復活

 その日は辛くて寝込んでしまい、なかなか起き上がれなかった。翌日やっと起きると、ジュースを飲んでゲップする様子を撮ったビデオを、2chユーザーへのメッセージとしてYouTubeにアップ。プライベートモードを解除し、全体に公開した。

 「私も彼もYouTubeでビデオをアップすることが好きだったので、続けようと思いました。見てくれている人には、いい人もたくさんいると思いましたし。ただもうちょっと本当の私を皆に見せたくて、げっぷのビデオを作りました。ただのぶりっ子とかに間違われないように……。2chで暴言を浴びせかけてきたユーザーも、このビデオを見れば私に飽きてくれると思いました」

画像 復活したサンミさんのYouTubeページ

 その後も、英語の発音を日本語で教えるビデオなど数本アップし、固定ファンに人気だったが、10月初めのある日突然、YouTubeにアカウントを削除されてしまう。モー娘。の曲に合わせて踊るビデオなどで、権利者の著作権を侵害していたためとみられ、サンミさんは「JASRACの申請で削除されたのでは」と考えている。

 「ショックでした」――数日後、立ち直ったサンミさんは別のアカウントを取得。“復活”を示すビデオを撮ってアップした。もう少し落ち着いたら、以前アップしていたビデオのうち、著作権に問題のないものを選んで再びアップしたいという。モー娘。の曲を使ったビデオは「許可いただければ」また公開したいと語る。「つんく♂さんに伺ってみようかな」。ものまねや英会話のビデオなど、新しいビデオも作っていきたいと意気込む。

 サンミさんは韓国語も勉強中で、「韓国語にもっと自信が持てたら、韓国語をしゃべるビデオも作りたい」と語る。韓国語のビデオをアップすれば、韓国のネット界でも人気者になれる――かもしれない。インターネットは簡単に国境を超え、映像や音楽が、言葉の壁を薄くする。

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