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「情報発信」「熱烈読者」……ブロガーの6タイプ

» 2006年12月21日 18時38分 公開
[ITmedia]

 「情報発信」「情報探求」「熱烈読者」……野村総合研究所(NRI)によると、ブロガーは6つのタイプに分けられるという。こうしたブロガーの増加は電子商取引(EC)や企業の広告出稿戦略にも影響を及ぼしそうだとNRIは指摘している。

 ブロガーの行動を(1)ブログを更新する、(2)他人のブログを閲覧する、(3)他人のブログの記事にコメントを書く・トラックバックを張る──の3要素で定義し、それぞれの行動を行う頻度などから分類。現在の国内のブロガー数約1000万人のうち、各タイプに属する人数も推定した。

・アルファブロガー──3要素とも頻度が高い。Webによる情報の収集発信・コミュニケーションを非常に重視(71万人)

・情報発信ブロガー──更新と閲覧が高頻度。ブログを純粋に情報発信のツールに位置付けている(97万人)

・自己完結ブロガー──更新が高頻度。日記として、情報蓄積ツールとしてブログを活用(53万人)

・情報探求ブロガー──閲覧とコメント・トラックバックが高頻度。意志決定の際にWeb上の情報を探し、コメントも書き込んで情報の真偽性を問うタイプ(40万人)

・熱烈読者ブロガー──閲覧が高頻度。ブログを情報メディアとして重視しているが、ブログの各機能は使いこなせていない(258万人)

・駆け出しブロガー──3要素とも頻度が低い。一般的なネットユーザーであり、ライトユーザーが多いが、熱烈読者になる可能性も(481万人)

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ブログ・SNSがネットにもたらすインパクト

 ブロガーの分類は、NRIが発表した国内IT主要市場予測の説明資料の1コマとして、同社情報通信コンサルティング二部の小林慎和・主任コンサルタントが公開した。予測によると、ブログ・SNS市場は高成長が続き、同市場は2011年度に1706億円、2006年度の7.6倍に成長するという(関連記事参照)

 小林さんによると、6タイプのブロガーがネット市場に及ぼす影響は大きい。ブロガータイプ別のEC利用率を見ると、アルファブロガーや情報発信ブロガー、熱烈読者ブロガーは4割に達し、25%にとどまる非ブログ利用者と比べ高い。こうしたブロガーは、ネット利用時間をブログ・SNSに費やす割合も高いという結果が出た。

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 市場予測によると、消費者向けECは2011年度に06年度比で約7割増の6兆4300億円に、ネット広告市場は同2倍の7417億円になる見通し。アフィリエイトなどを通じてブログやSNSからECサイトへの誘導が促進され、ブログ・SNSなどのコミュニケーションサービスとの接触時間の増加は企業の広告ポートフォリオ比率にも影響を与えるだろうと見る。

 SNS登録数も、11年度には同4倍の5111万登録に増加すると予測している。ただ、小林さんによると、現状の国内SNSは購買プロセスモデル(AISAS)上の「注意」(Attention)、「興味」(Interest)の部分で接触時間が長いが、「行動」(=購買、Action)につながる情報を取り切れていない。

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 世界最大手のMySpaceが音楽配信、韓国のCyworldがアバターやサイトアクセサリの購入促進で成功しているような仕組み作りが必要な上、現状では実名登録が2割程度にとどまる点も、購買プロセスモデル上はSNSの魅力を減らしていると指摘した。

photophoto ブロガーの増加はマスコミ中心のメディア構造を変化させるが、一方で信ぴょう性が分からない情報があふれることにもなる。だが鋭い考察などがブログの1%でもあれば、相当な量になる計算だ。こうした情報の海を渡る“船”にもっともふさわしいのは、ブロードバンド化とディスプレイの高精細化が進む携帯電話だという

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