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» 2007年05月23日 11時38分 UPDATE

同人誌と表現を考えるシンポジウム:(2)イベント会場でマジックで塗るということ (4/5)

[小林伸也,ITmedia]

会場修正、女性系が男性系を超える

中村 商業誌とのダブルスタンダートと申し上げたんですけど、商業出版はプロの作家さんと出版社がやっているので、ある意味確信犯でやっている方も多いと思うんです。場合によっては逮捕されるかもしれない、ということもあるし、それこそいつ編集長が代わってもいいみたいな態勢でやっているので、単純に同人誌の場合と比較はできないのかなと思います。

 同人誌の場合は横を見ながら「このくらいでいいのかな」というところがあったりするので、「絶対にこれなら大丈夫」、あるいは逆に「わいせつの何が悪い」と戦っている方は少ない。もちろんいるとは思うんですが、少ないとは思いますので、それぞれ相談しながら、どのくらい修正するのか考えていかなければならないのかなと思います。

 ただ、実際に戦おうという人や、あるいは何が悪いんだという人もいると思うんですが、そういう問題でトラブルに発展した経験がある方っていらっしゃいますか。

市川 実際に「なんで塗んなきゃいけないのよ」ってのは結構多いんですよ、だいたい2コミケに1回くらい。「これは何でわいせつなの、どこがいけないの」と。

 実は最近女性系サークルのほうが多いんですよ。横にいる武田さんなんかが一番かわいそうなことになってるかもしれないんですけど(会場笑い)、実は去年の冬コミでついに、女性系サークルのほうが、男性系サークルをおさえまして、修正が多くなっております。いつもだと女性系が4、5件くらいですが、今回初の2けたにのりまして、男性系を超えました。

 昔から女性系サークルは多いですが、やはり最近、やおい、JUNE、ボーイズラブといろいろあって、女性系サークル増えていて、だんだん過激になってきている。かつ、男性器に対して修正を入れるという意識があまりないように見えるんですね。どうなんですかね。

武田 さっきもちらっと言ったんですけど、わいせつ物という問題に関して、意識が「対岸の火事」。

市川 意識がそもそもない?

武田 ない。あるいは、これも2、3年前の夏に問題になったんですけども、「わいせつ物」と「18禁」の区別がついていない。念のためですが、「18禁」というのは、18歳以上の相手ならば売っていいものなんですよね。「わいせつ物」というのは相手が18歳以上であろうがなんだろうが売ってはいけないもんなんですよ。この区別がついてなくて、なんかネガティブな思想にばっかりいっちゃう。でそっちに走られるっていう傾向も一時期、2〜3年くらい前に強かったですかね、女性向けで。

市川 女性系の方にも考えてもらわなきゃいけないかなと思います。きょう会場を見ても、こういうシンポジウムにくるのは男性系の方が多いのかなって思うんですよね。女性系の意識をどうやって変えていくのかは今後の課題ですね。われわれイベント側もそうだし、印刷所もそうだし、書店さんも。メロンさんは女性向けの扱ったりしてるんですかね。

川島 うちは女性向けの「リブレット」というのがあるんですけど、女性は極端に過激か、極端に官能的か、「あ、してるのかな」というのが多いですね、微妙な範囲というのか(会場笑い)

市川 ロマンあるものから、「ガチ」の場合なんですけど、さっき言った通り、コンビニと書店で売られているものの違いがありますが、書店さんで売られているものを見ると、男性器に修正がほとんどないんですよ。それを見た女性のサークルさんはOKなんだと思うんですよ。

 それで噛んでくるんですよね、「あれは大丈夫だった」「あれはいいんだ」ときて、「いや商業誌に準じるんじゃないって書いてあるじゃないか、アピールに」って言うんですけど、だいたいそういうサークルさんに限って奥付がなかったりして、「いやあ、奥付がないと作ったサークルさん自身が責任を取れないとか、連絡先がないということについては最後、警察とかに問われた時に突っ込まれますよ、やはり奥付を入れてもらった上で、しっかりと成人マークも入れてやってもらわないと、商業誌に準じるなんて言えないんですよね」という話をしながらごまかしつつ、柔らかに「今度修正してくださいね」っていいながらマジックペンを渡して帰ってらうという風にしてもらうんですけど。結構大変なんですよ、女性系。噛んだら長いですよ。男性系のほうがすんなり「分かりました、すぐ塗ります」って言うんですけどね。

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