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» 2007年08月01日 10時56分 UPDATE

「レーザープリンタに健康リスク」、研究者が指摘

レーザープリンタが空気中に放出する粒子が、オフィスの空気を汚染し、健康を損なう恐れがあると豪大学の研究者が報告している。

[ITmedia]

 オフィスや家庭で使われているレーザープリンタに、健康上のリスクをもたらす可能性がある。米国化学会の学会誌で、このような研究結果が発表される。

 この研究は豪クイーンズランド工科大学のリディア・モラウスカ博士が実施したもの。62機種のレーザープリンタについて、トナー粒子の放出を調べた。調査対象には、キヤノン、Hewlett-Packard(HP)、リコー、東芝などのブランドで国際的に販売されている、米国やオーストラリアで人気の高いモデルが含まれる。

 モラウスカ氏は論文の中で、特定のレーザープリンタはトナーの細かな粒子を空中に放出し、人間がそれを肺に吸い込むと健康を害する恐れがあると説明している。同氏らは、62機種のうち17機種を、インクの代わりにトナー粒子を多く放出する「高粒子放出機」と分類している。実験で使ったある機種では、放出される粒子の割合が、たばこから出る粒子状物質の割合と同程度だったという。

 一方、62機種のプリンタのうち37機種は、空気を汚染する粒子の放出がまったくなかった。6機種は低レベルの放出量で、2機種は中程度。

 ほとんどのプリンタが放出する粒子は超微細であり、有害物質が肺の狭い気管にも容易に入り込んで「深刻な健康上の危険」をもたらす恐れがあるとモラウスカ氏は報告している。また、プリンタ使用によって作業中のオフィス内の粒子レベルは5倍に増え、新しいトナーカートリッジを使っているときと、トナーが多く必要な画像を印刷するときに、粒子の放出が多くなることも示された。

 吸い込んだ粒子が健康に及ぼす影響はその成分によって異なり、呼吸器の炎症から、心臓血管系の問題やがんなど深刻なものまでさまざまな影響が考えられると同氏は述べている。微細でない粒子も、サイズが大きいために有害物質を多く含んでいる可能性があり、肺の奥深くに到達しなくても有害かもしれないという。

 同氏らは、プリンタの放出する粒子が健康に及ぼす影響についてはさらに研究が必要としつつも、今回の結果を受けて、レーザープリンタからの放出レベルを規制するよう政府に呼びかけている。

 この研究論文は同学会のオンライン版「Environmental Science & Technology」誌8月1日号に調査モデル一覧付きで掲載される。

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