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米イリノイ大、ペタスケールシステム「Blue Waters」導入へ

» 2007年08月09日 12時22分 公開
[ITmedia]

 20011年には、米イリノイ大学のスーパーコンピュータが世界最速になるようだ。

 米国立科学財団(NSF)は8月8日、2011年に「ペタスケール」スーパーコンピュータを稼働させるための助成金が承認されたと明らかにした。イリノイ大学がこの助成金を受け、ペタスケールシステム「Blue Waters」を導入する。

 NSFは、Blue Watersは世界で最も強力な「リーダーシップ級」システムであり、演算能力は1P(ペタ)FLOPS(1秒間に1000兆回の計算が可能)を超える見込みだとしている。米科学委員会(NSB)は、NSFがこのシステムに4年半にわたって2億800万ドルを投じることを認めた。

 Blue Watersはイリノイ大学アーバナ・シャンペーン校が導入し、2011年に稼働する予定。太陽のコロナガスの噴出と地球の磁気圏・イオン圏の相互作用の研究などに利用される可能性があるという。

 NSFはまた、それよりも小規模なシステムに5年間で6500万ドルを投じる承認も得た。これは現行のシステムとペタスケールシステムのギャップを埋めるという。このシステムはテネシー大学に納入され、オークリッジ米国立研究所などがプロジェクトに参加する。ピーク性能は1PFLOPSをわずかに下回る程度になる見込み。NSFが出資している研究用グリッドコンピュータ「Teragrid」の約4倍の性能という。

 いずれの助成金もまだ最終決定ではなく、NSFによる管理上および財務上の手続きが必要。この手続きは今秋完了する見通し。

 現時点で世界最速のスーパーコンピュータとされているのはIBMの「Blue Gene/L」で性能値は280.6TPLOPS(TPLOPSは1秒間に1兆回の演算が可能)。IBMはその次世代版として、1PFLOPSを超える「Blue Gene/P」も発表している。

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