アジアのPCメーカーによる性急な買収や買収に向けた動きは、ローエンドPCの設計と開発を専門とする企業がこれまでになく大きな野望を抱き、食物連鎖の上位へ上ることに関心を持っていることを表しているのかもしれない。
今週、台湾のPCメーカーAcerが米PCメーカーGatewayの買収を発表した一方で、中国のPCメーカーLenovoが米HDDメーカーSeagate Technologyの買収に関心を持っているという噂が流れている。Lenovoに関しては、プリンタ市場に大々的に乗り込むために米Lexmarkに目を向けているとも噂されている。
こうした買収話には、アジアのメーカーが単に低賃金労働力を供給すること、製造の末端部分を担うことに不満を持っていることを示すものは何もない。だがこれらの動きは、アジア企業がブランド製品を販売することのポテンシャルを理解し、戦略的買収によって国際的な影響力を高められると確信していることをはっきり示している。
「PCの世界では、ブランドソリューションの米国への提供における台湾の実績は一貫していない」とNPD Groupの業界分析責任者ステファン・ベイカー氏は語る。「アクセサリや周辺機器ではよくやっているが、時には失敗もある」
このことと、エントリーレベルブランドからハイエンド市場へと移行したいという願望が、AcerがGatewayを買収する主な理由だと同氏は指摘する。
Lenovoにもそれが当てはまる。
「Lenovoは市場の最も安いセグメントから移行し、DellやHPマシンと同じくらい優れていて人気があるマシンを作っていると言えるようになりたがっていた」と国内外のマーケットにフォーカスした分析系Web媒体24/7 Wall St.の編集者ダグラス・マッキンタイア氏は語る。「同社は、両方の分野で勝てると確信している」
概して、アジアのメーカーが米国のテクノロジー業界でシェアを持つのはいいことだと同氏は言う。
「これら企業にとっては、市場シェアを『買う』ことが一番早く顧客を手に入れる手段だろう。彼らには基本的に2つの選択肢がある。何年もかけて市場で自力でブランドを築くか、比較的弱い企業を買収してコストを大幅に削減することでブランドを買うかだ」(同氏)
PC業界では、アジアのメーカーが米国のITベンダーを買収する動きがさらに見られそうだと調査会社Endpoint Technologiesのロジャー・ケイ社長は言う。
「米政府が承認すればの話だが、この種の買収がさらに行われる可能性が高い」(同氏)
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