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違法音楽ファイル交換で大学生を提訴するRIAAをEFFが批判

» 2007年08月30日 08時44分 公開
[ITmedia]

 電子フロンティア財団(EFF)は8月29日、全米レコード協会(RIAA)が展開する4年間にわたる「訴訟キャンペーン」の実態をまとめた報告書を発表した。RIAAは違法音楽ファイル交換を行ったとして、大学生たちを相手取り、毎月相当数の訴訟を起こしている。

 EFFによると、レコード業界から圧力を受けた大学側は、ファイル交換の疑いがある大学生に対し厳しい処置を取るようになった。RIAAが学生などの個人を相手に起こした訴訟は、すでに2万件を超えるという。

 RIAAの報告書によると、RIAAは2003年、プリンストン大学、レンセラー工科大学、ミシガン工科大学の学生を提訴したのを皮切りに数多くの訴訟を起こしてきた。最近では、訴訟で有罪判決を受けた場合の賠償より少額で済むとして、示談を促す書簡を全米の大学に送っている。

 EFFの担当弁護士フレッド・ローマン氏は、こうしたRIAAの圧力にもかかわらず、ファイル交換は一向に収まっていないと指摘。「RIAAは音楽ファンに不相応な罰を科そうとしている。アーティストには補償が必要だが、訴訟がアーティストの懐を潤すことはない」とする。

 またこうした訴訟のために、違法な音楽ファイル交換の手法がますます摘発しにくい方向へ向かうとEFFは主張する。例えば友人間でCDを焼いて交換する、会員制サイトでファイルを共有するなどの手法はまず発覚しない。

 EFFは報告書の中で、ファイル交換の人気が衰えないのは合法音楽サービスよりも利便性が高いからだと指摘。RIAAが本当に違法な音楽ファイル交換をやめさせたいのであれば、音楽ファイル交換から低額のライセンス料を徴収できるような仕組みを設けるべきだと提言している。

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