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「ねこ鍋」「ふちゃぎ」――ニコ動で“拾われ猫”がアイドルに(2/2 ページ)

» 2007年10月01日 10時45分 公開
[岡田有花,ITmedia]
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画像 「ねこ鍋」。植物の鉢代わりに使用していた土鍋を、植え替えのため片付けようとしたところ鍋に入り込んだという。当初は猫が土鍋に入るシーンをカットしていたため「無理やり入れたのでは」と疑うユーザーも。それに驚いて「誤解がないように」と、猫が自ら土鍋に入る様子を撮影した「ねこ鍋〜補足〜」を公開した。「動画では伝わらない内容について、話が勝手にふくらむのは怖いと思いました」

 「こうやってみなさんにかわいがってもらっているというのに、わが家の猫たちはそんなこと全く知らずに毎日普通に暮らしてますが。のんきで幸せな子たちだと思いますけれども、こんなに穏やかに育っていることは、そのたくさんの温かい目が届いているからかもしれません」

 人気はネットの外に波及し、テレビ番組でも何度か取り上げられた。「猫を飼っている方には分かると思いますが、思わぬところで寝ているのが猫で、何も特別なことはない内容。テレビでやるほどのことでもないんじゃないかと本音では思うのですが、いろいろせわしない毎日の中に、こんなくだらない話題が入るのも良いんじゃないかと思います。自分も猫らを見せびらかせて満足ですし」

 ドワンゴ・エージー・エンタテインメントからDVD化が決まったことは「素直に嬉しい」というが、「一時のブームも過ぎた後で、本当にやるんですかドワンゴさん、という気持が常にありまして、余計な心配などしております」。

YouTubeで海外とつながり、ニコ動でコメントに見つめられ

 「ふちゃぎとエリザベスは、ネットの向こうの顔も知らない仲間たちが一緒に育ててきてくれたのだと思います」――拾われてきた2匹の猫、ふちゃぎとエリザベス。成長を記録した動画が「YouTube」「ニコニコ動画」で人気を博し、10月1日にDVD付き写真集「ふちゃぎとエリザベス」(サンクチュアリ出版、1890円)としてまとめられる。

画像 YouTubeの動画一覧。タイトルは英語だ

 ふちゃぎは昨年10月、沖縄県に住む宮良隆彦さんが拾ってきた子猫だ。「うちの子はかわいいだろう」と仲のいい友人に見せるだけのつもりで動画を撮影し、YouTubeにアップ。その愛らしい姿が口コミで広がり、見知らぬ人から反応やコメントが来るようになった。

 YouTubeでは海外から「very cute!!」など英語のコメントも寄せられた。「うちの猫たちは国内だけじゃなくて世界中の人に愛されていてすごくうれしくて。先日もスペインからメッセージをいだただきました。伝えたいことを伝えきれない自分の語学力が悔しい」。YouTubeの動画は、タイトルや解説を英語で入れてアップした。

画像 写真が趣味という宮良さんが撮った2匹の写真と、100分のDVDを収録した「ふちゃぎとエリザベス」

 ニコニコ動画には当初、YouTubeにアップした動画が無断で転載されていたという。「再生回数の多さにびっくりしました。YouTubeは多いときで1000〜3000ぐらいだったのが、ニコニコはわたしが見たときすでに3〜4万。新作をアップするたびに1万〜2万ほど再生されます」

 「ニコニコ動画で観ていると、動画とコメントが一体になって『みんなで観ている』という感覚がすごくあるんですよね。愛のあるコメントも多いですし、新作アップするのがとても楽しみになりました。反面、あおりや叩きも多いのには閉口しますが……」

 今年6月には玄関先に捨てられていた子猫「エリザベス」も飼うことに。ふちゃぎとエリザベスが不仲だった当初は、その様子を収録した動画が視聴者をハラハラさせ、仲が良くなってきたころの動画にみんなでほっとした。写真集化が決まったのは「ほんとに夢のよう」だという。

 実は8月、ふちゃぎが家出してしまった。それ以来、ニコニコ動画にアップした動画には「ふちゃぎ帰ってきて」「元気でいて」などふちゃぎを心配するコメントが殺到。東京・立川市にある「猫返しの神社」には、「ふちゃぎ帰ってきて」など書かれた絵馬がファンの手によっていくつも奉納されているという。

 「わたしも落ち込んだりしましたたが、わが事のように心配してくれるコメントをたくさんいただき、ふちゃぎはたくさんの方々に愛されているなぁと思って励まされました。猫返し神社にはわたしも行く予定ですので、みなさんの絵馬をひとつひとつ見て回りたいと思います」

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