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» 2007年11月27日 18時17分 UPDATE

“ISP以外”で成長目指すBIGLOBE

NECビッグローブは「ISP事業だけでは今後、高成長が望めない」とし、ポータルや企業向けサービスで成長曲線を描く。ポータルは「BIGLOBEストリーム」を強みに、企業向けではSaaSやNGNに注力していく。

[岡田有花,ITmedia]

 「ISP事業の成長は今後、微増にとどまるだろう」――NECビッグローブの飯塚久夫社長は、11月29日に開いた戦略説明会でこう話し、ISP事業「以外」の分野での成長戦略を描く。ポータル事業や企業向けサービス開発、モバイルなどといった分野を伸ばし、収益源を多角化していく。

画像 飯塚社長はNTT、NTTコミュニケーションズを経て2005年にNTTラーニングシステムズ社長に就任。2007年6月にビッグローブに移籍し、社長に就任した

 NECから分社化して1年あまり経った同社。2006年度の売上高のうち57%をISP事業が占めているが、今後はISP以外の分野の成長に注力。2010年までにISP事業の売上高比率を40%にまで下げる計画だ。

 ポータルは、動画サイト「BIGLOBEストリーム」などを強みに新ビジネスを模索。企業向けでは、SaaS(Software as a Service)によるサービスを提供やNGN事業、他社と連携した新サービス提供などを軸にしていく。

 モバイルでは、WiMAX事業でNTTドコモとソフトバンクモバイル陣営にそれぞれ出資したほか、イー・モバイル回線を借りたMVNOも展開。モバイル端末とPCなどさまざまなネット端末連携させた「クロスアプライアンスサービス」も展開し、新たな収益源に育てたいという。

ポータルは「BIGLOBEストリーム」を強みに

 同社のブロードバンド会員数は約170万で、FTTH会員数は7月までに100万を突破。年度内には130万を超える見込みという。「NTTは加入者目標を3000万から2000万に引き下げたが、そのうち最低1割は取っていきたい」――飯塚社長は目標を掲げつつも、FTTHは「会員が増えてもあまりもうからない」と低成長を予測。ISP以外の分野を大きく伸ばしていく。

画像 ISP以外の「アセット活用」で高成長を目指す

 ISP以外の柱は2つ。ポータルサイト「BIGLOBE」を含むメディア事業と、企業向けのプラットフォームサービス事業だ。

 メディア事業で飯塚社長が最も期待しているのが、動画サイト「BIGLOBEストリーム」。映画やアニメ、人気の地方ローカル番組などをそろえており、視聴登録会員数は800万と「Yahoo!動画やGyaOに次ぐ3位に付けているのでは」という状況だ。

 ただネット上での存在感は薄く「プレゼンスを発揮できていない」。BIGLOBEの登録会員数も1875万人(BIGLOBEストリーム会員含む)に上るといい、「このポテンシャルをどういかすかを、課題として取り組んでいきたい」という。

 メディア事業の収益源は広告が中心だが、「ネット上の広告はヤフーが独占している状況」。行動ターゲティングなど新しい広告配信の仕組みも取り入れ、収益力向上を目指す。「ネット上の媒体価値を測る指標は、ネットレイティングスの視聴率調査ぐらいしかない。指標の再確立を含めて取り組んでいきたい」

 ユーザーの声を集約するCGM(Consumer Generated Media)型サービスも展開。NECの技術を活用した評判検索サービス「みんなの評判β」や、アバターで集まって動画を見る「みんなでBIGLOBEストリーム」、ニュース投票「みんなの気持ち玉」などをすでにリリースしている。

携帯サイトは「インデックスに次ぐ第2の規模」

 携帯電話向けではすでに、250以上の公式サイトを運用しており、「インデックスに次ぐ第2の規模では」。ただ「iモードが開拓した“山”は飽和してきた。市場は新しい端末を待望している」と話し、WiMAX端末など新世代の携帯端末に対応したサービスに取り組んでいく。

 PCと携帯型端末などを組み合わせた「クロスアプライアンスサービス」も提案。例えば、BIGLOBEトラベルで調べた旅行情報をネットに対応したカーナビや携帯電話に配信し、帰宅後はBIGLOBEのサイトに写真や動画をアップする――といった展開を視野に入れる。

企業向けはSaaSやNGNに注力

 企業向けでは、SaaS形式でのサービス提供に注力するほか、瞬間的なトラフィック増にも対応できるグリッドコンピューティングや、大容量データを低コストで蓄積できる分散仮想ストレージといった技術を強みに、プラットフォーム事業を展開していく。

 NGNでは、サービス基盤確立を目指し、通信キャリアとAPIを連携させる計画。BIGLOBEのNGN基盤上で、コンテンツプロバイダーなどパートナー企業が事業展開できるような仕組みを整えていく。

 アドビシステムズなど他社との連携も強化し、新サービスを提案(関連記事参照)。ベンチャー企業への投資にも力を入れる計画で、投資ファンドをこのほど設立した。「キャピタルゲインを狙うだけでなく、共同で新サービスを作って新たな価値を創造したい」

 昨年度の業績や今年度の業績見込みは非公表だが、2010年度に売上高1000億円を目指す。

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