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» 2008年01月23日 20時27分 UPDATE

1年でアッカ株価が上がらなければ派遣役員はクビ──イー・アクセス千本会長が説明 (1/2)

イー・アクセスの千本会長が、アッカ経営陣刷新を提案した経緯について説明。現経営陣では株価回復は見込めず、「ADSLのプロ」による新経営体制が企業価値向上につながると強調。引き金が「MSCB」だったことも明らかに。

[ITmedia]

 イー・アクセスの千本倖生会長兼CEOは1月23日、アッカ・ネットワークスの経営陣刷新を提案した経緯について説明した。千本会長は「これまで現経営陣に改善を働きかけてきたが、株価は下がり続けている。提案は現在とりうる最善の策だ」「1年たって株価が上がらなければ、アッカに送り込む取締役4人は全員クビになって退任するということ」などと話し、低迷するアッカ株価を上げるのが目的だと強調した。

photo 千本会長とエリック・ガン取締役

 イー・アクセスは16日に、アッカの木村正治社長らの退任などを求める株主提案を行った。木村社長ら常勤取締役3人全員を退任させ、イー・アクセス側から取締役の過半数を占める4人の選任を求めた(イー・アクセス、アッカ経営陣に退任要求)。

 千本会長は「株主総会の議案を8週間前に提出する必要があり、16日は提出のぎりぎりのタイミングだった」と説明。アッカは提案を「突然のことで遺憾」としているが、「アッカ現経営陣には過去3年、5回以上にわたって改善を働きかけてきたが、すべて実らなかった。『唐突』はこれまでの経緯を全く無視したものであり、適切な表現ではない」と反論した。

「約束を果たさなかった現経営陣と話し合う必要はない」

 千本会長の説明によると、株主提案は「アッカの株主価値の向上」が目的。アッカは2004年3月に公開価格45万円でJASDAQに上場した。だがその後は低迷し、イー・アクセスの提案の時点では公開価格の3分の1以下にまで落ち込んだ。

 イー・アクセスは今月11日時点でアッカの13.1%を保有する筆頭株主だが、現在の株価は取得価格を下回っており、このまま下落が続けば減損処理が必要。減損分は特別損失としてイー・アクセスの最終利益に直接響き、1株当たり利益(EPS)の低下をもたらす。「イー・アクセスの株主にとっても看過できない。われわれの株主総会で株主に説明できるようにするためにも、この時点でアクションが必要だった」

 経営陣の刷新要求という荒療治に踏み切った理由は、「株価が下がっている間、『M2M』や『zoome』などの提案はあったが、株価は下落を続けた。実際に株価が下がった実態がある以上、数年来約束を果たさなかった現経営陣と話し合うことは論理が通らない」と説明。「感情的ではなく、ビジネスライクな提案」だが、千本会長は「オオカミ少年」という表現も持ち出し、現経営陣に対する不信感をあらわにした。

 「例えば、われわれが銀座のバーの胴元だったとして、チーママとバーテンダーが3年間、『売り上げを上げます』『新しい酒を入れます』などと言いながら売り上げが下がり続けたとしたら、チーママが『新しい提案がある』といっても信じられないだろう。チーママを変えるほうが現実的」(千本会長)

「われわれはADSLのプロ」

 イー・アクセスが提案した取締役候補は、小畑CTOやエリック・ガン取締役ら4人。アッカの現任の非常勤取締役3人は、主要株主のNTTコミュニケーションズ、三井物産、投資ファンドのイグナイト・グループが各1人ずつ派遣しているが、「同じ船の仲間」(千本会長)として非常勤3人の退任は求めない。

 アッカの取締役定員は7人。イー・アクセス側の4人を選任させることで、取締役会の絶対多数を確保する算段だ。

 4人の派遣は保有比率に比べ多いのではという指摘もある。これに対し千本会長は、イグナイトの比率はイー・アクセスより少ないが、木村社長、湯崎副社長、非常勤取締役の3人がイグナイト側だと反論。「ADSLを一番分かっているのはわれわれだ。IBMの営業出身(木村社長)や役人出身(湯崎英彦副社長)と比べると、われわれはADSLのプロ。やるのなら“ばーっ”とやる」と、絶対多数を握って改革を断行する狙いだ。

 ガン取締役は、「イー・アクセスの売上高経常利益率が20%なのに対し、アッカは5%」と、ADSLホールセール(回線卸売り)の同業としてのアッカの経営効率の悪さを指摘。「ADSLはちゃんとやれば利益率が上がる自信がある。アッカは解約率が高いので、既存客をとどめたい。キャッシュフローを最大化した上で、新しいビジネスモデルを構築したい」(同)という。不採算事業からの撤退など、具体案は「中に入らないと分からない」(ガン取締役)とした。

 千本会長は、提案の目的はあくまで株価の回復であり、イー・アクセスとの提携などが前提ではないと強調。他の株主やホールセール先のISP、従業員など従来のステークホルダー(利害関係者)は「これまで以上に尊重する。従業員と一体となって取り組み、良きパートナーになれれば」と話した。

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