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「徒歩発電」で携帯も充電――カナダの大学が新技術を開発

» 2008年02月09日 08時24分 公開
[ITmedia]

 カナダのサイモンフレーザー大学は2月7日、人間の歩く動作で発電する小型発電機を開発したと発表した。

 ひざに装着して利用する発電機で、両ひざに装着した場合、通常の歩行に「少し追加の負荷」を加えることで、最高5ワットを発電できるという。速歩きなら、13ワットの発電が可能。この場合、1分間の歩行で、携帯電話の通話時間30分相当を発電できるという。

 整形外科用の軽量の矯正器に似た「Biomechanical Energy Harvester」は、発電機のほか、クラッチやギア、制御システムを装備。ハイブリッドカーの回生ブレーキと同様の原理を活用したという。回生ブレーキでは、車が減速する際、熱として放散してしまう運動エネルギーを集めて利用するが、このHarvesterも同様に、1歩の動作を終える時点で、筋肉が足の動きを減速させる際のエネルギーを利用するという。

 「この技術は、医療や軍事、消費者向けに応用できる」と、論文執筆を率いたマックス・ドニラン准教授。同氏が取締役を務めるカナダのBionic Powerでは、18カ月以内に試作品の提供開始を計画しているという。

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