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東工大と富士通研、次世代FeRAM向け新材料を開発

» 2008年03月31日 09時18分 公開
[ITmedia]

 東京工業大学と富士通研究所は3月28日、次世代FeRAM(Ferroelectric RAM:強誘電体メモリ)向けの新メモリ材料を開発したと発表した。FeRAMの大容量化につながる成果だとしている。

 次世代FeRAM材料として期待されているビスマスフェライト(BFO)の成分の一部を置き換えた。新材料を使うことで、1000億回の繰り返し書き換えとリーク電流の低減に成功したとしている。

 FeRAMは高速かつ低消費電力な動作が特徴の不揮発性メモリで、ICカードやRFIDタグなどに採用されている。大容量化には微細化が必要だが、現在の180ナノメートル(nm)世代で使われている強誘電体・チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)では、微細化が進むと情報記憶に必要な電荷量が得られなくなるため、130nm世代が限界とされている。

 BFOは、PZTと比べ大きな電荷量を蓄えられる強誘電体として注目されているが、PZTと比べて書き換え回数が少なく、リーク電流が大きいことが課題になっていた。

 開発した新材料はPTZでの書き換え回数の限界を超える上、リーク電流を従来のBFOに比べ数千分の1に低減し、PZTと同等にした、90〜65nm世代でも現行世代と同じ構造で実用化ができ、大容量化のめどがついたとしている。

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