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ネット広告のブランディング効果は? MS・ヤフーなど共同調査

» 2008年04月21日 19時07分 公開
[ITmedia]
画像 広告の効果

 マイクロソフト、ヤフー、NTTレゾナント、ビデオリサーチインタラクティブ(VRI)は4月21日、インターネット広告の効果に関する調査結果(PDF)を公開した。音が出たり、カーソルを合わせると枠が広がるなど「リッチ素材」を活用した広告は、特に認知やブランディング効果が高いという結果だ。

 従来のネット広告は、クリック率やコンバージョンレート(広告閲覧者が商品を購買した割合)などで広告効果を測定していたが、広告主からはブランディング効果(認知度や好感度など)を検証するための基準が求められていたという。

 昨年3〜12月に「MSN」「Yahoo!JAPAN」「goo」に掲載したバナー広告68件について、それぞれ2000人に調査した。3サイト共同で調査することで、各サイトが単独で調査する場合よりも汎用的な結果が得られたとしている。

 広告を表示するページにアクセスした「広告到達者」のうち、29.1%は広告を「確かに見た」「見たことがある」と答えるなど広告を認知した。広告認知者のうち、内容を理解したのは62%で、実際に商品を購入したり、会員登録するなど「商品購入・利用喚起」した人は広告認知者のうち30.4%だった。

画像 広告到達回数別の認知率

 広告の認知度や商品の好意度は、フリークエンシー(広告到達回数)が12回になるまで上昇を続ける。13回以降は横ばいになるため、「フリークエンシーは12回がポイント」という。1000万インプレッションの広告の場合、認知者数は130万人で、商品購入・利用喚起したのは38万人だった。

 タレントやキャラクターを広告に起用したり、音が出る・カーソルを合わせると枠が広がるなど「リッチ素材」を活用した広告を掲載すると、広告の認知やブランディング効果は高まるという。画像が切り替わるバナー広告の場合は、広告の最初に企業やブランドのロゴを使わない方がブランディング効果が上昇することも分かった。

画像 VRIの広告効果シミュレーションのイメージ

 VRIは5月ごろまでに、広告効果をシミュレーションする無料サービスを同社のサイトで始める。広告主の業種やキャンペーンのタイプ、出稿ページや想定インプレッション数などを入力すると、広告を認知する人の数や、ブランディング効果を予測して表示する。さらに詳細なデータを提供する有料版も提供する予定だ。

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