マイスペース、レコード会社など33社と協業 「mixiとは全く違うサービス」
世界最大のSNS・MySpace日本版「マイスペースジャパン」を運営するマイスペースは5月20日、アーティストやクリエイターなどの支援について、レコード会社など33社とパートナーシップを結んだと発表した。各社と共同で、MySpaceに登録しているアーティストのライブイベントや、プロモーション支援、海外進出支援などを行う。
国内のアーティストやクリエイターが5万組以上登録していることを強みに、「音楽に強く、創作のプラットフォームになるSNS」としてアピールし、ユーザー数拡大につなげる方針。「mixiなど他社SNSと比べられることも多いが、MySpaceは全く違うサービスだ」――今年1月に社長に就任した大蘿(たいら)淳司さんはこう話す。
「急速に伸びる時期に来た」
マイスペースジャパンは06年にスタート。「mixiを超える国内最大SNS」を目指していたが伸び悩み、07年半ばごろから「音楽に強いSNS」との位置付けを鮮明にし、アーティスト登録の拡大や、音楽・映画などのコンテンツの獲得に注力してきた(音楽で集客へ――苦戦するMySpace日本版)。
ワールドワイドの月間ユニークユーザー数は1億7000万。登録ユーザー数は、国内・世界全体とも非公開だが、国内版の直近1カ月(4月15日~5月16日)の平均日次登録者数は、今年1月と比較して4割増、月間ユニークユーザー数は同3割増と、成長軌道に乗り始めたという。
「SNSは、最初は伸びないが、ある時点で急速に伸びる。マイスペースもその時期に来た」
第1弾として、フォーライフミュージックエンターテインメントに所属するBENNIE Kのプロモーションビデオをユーザーから募集する企画を、同日から始めた。プロダクションI.Gがデザインしたキャラクター画像と楽曲素材を自由に使って制作・応募できる。
ワールドワイドで400万組が「アーティスト」として登録し、楽曲や動画などを配信している。日本版でも5万5300組が登録済みで、月間3500~4000組が新たに登録しているという。
たむらぱんなどマイスペースがきっかけでデビューしたインディーズアーティストのほか、小室哲哉さんや岡村靖之さん(逮捕の岡村靖幸、MySpaceに謝罪文 「本当に本当にごめんなさい」)、BENNIE Kさん、X JAPANなどメジャーアーティストも登録。英語版とシームレスにつながる点をいかし、マイスペースを海外発信の拠点にしているメジャーアーティストも多い。
楽曲プロモ動画募集企画など展開
マイスペースが今回、パートナーシップを結ぶのは、EMIミュージックジャパン、エイベックス・エンタテインメント、フォーライフミュージックエンターテインメント、HMVジャパン、ホリプロ、ナノメディア、ブイキューブ、イクスピアリなど33社。メジャーレーベル、インディーズレーベル、ライブハウス、CD販売、システム開発など、さまざまな分野の企業が含まれている
HMVジャパンはマイスペース内に、CDやDVDのアフィリエイトリンクを張ることができる機能を提供したほか、インストアイベントや楽曲コンテストの共同展開も検討する。ブイキューブは、動画や音声のライブ配信システムを提供し、マイスペースを通じて音楽ライブなどをネット配信できるようにする。
イクスピアリが運営するライブハウスは従来から、日米のMySpaceで出演アーティストを探していたといい、マイスペースと連動したイベント開催を計画している。
このほかにもさまざまな企画を検討しているほか、今後、約20の会社とパートナーシップを結ぶことが決まっているという。「マイスペースは創造の場を目指す。アーティストやクリエイターの“出口”を増やしていきたい」
mixiやFacebookとは違う
MySpaceに次ぐ世界2位のSNS「Facebook」は19日に日本語版を公開(「Facebook」日本語版公開 “実名交流”でmixi追撃)。mixiも、音楽関連のコンテンツ獲得に力を入れ始めている(mixiで音楽を聴ける新サービス、今夏スタート)。
大蘿社長は「米国に比べると日本のSNS利用率は低く、市場はまだ黎明期。新規参入事業者が増えるのは市場の活性化につながる」と、Facebookの参入にも強気だ。
「SNS市場は分化している」という見方も語った。「マイスペースは、アーティストのファンたちが集まり、『このライブ良かったね』などと語り合う場。mixiやFacebookとは違う」
「SNS」というジャンルでmixiやモバゲータウンと競合と目されることにも、違和感も感じているという。「マイスペースにはさまざまな機能があり、ホームページ作成サービスやブログから来るユーザーもいるだろう。SNSという1つの言葉では見ていない。ネットユーザー全員がターゲットだ」
収支などは非公開だが「まだベンチャーモードで、コストを削減しながら利用者を拡大する段階」。音楽を核にユーザー数を拡大した上で、広告や物販ビジネスなどを本格展開していく方針だ。
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