米スタンフォード大学は9月2日、観察による学習が可能なヘリコプター向けAIシステムを開発したと発表した。このシステムを搭載した自律型ロボットヘリは、ほかのヘリコプターを観察することで難しい曲芸飛行を覚えたという。
このAIシステムは、専門家が操縦する4フィート(120センチ)のラジコンヘリの曲芸飛行を「観察」することで、飛び方を学習した。同校が最近行ったデモでは、AI搭載ヘリはフリップ、ロール、旋回しながらのループやストールターン、ナイフエッジ、イメルマンなど多数の難しい動きを演じたという。
このロボットヘリには加速時計やジャイロスコープ、磁気探知機、GPS受信機などを搭載。飛行中は位置や方向、速度、加速などを絶えずモニタリングして、地上のコンピュータでデータを分析して計算し、毎秒20回ヘリに新たな指示を無線で送った。
AIシステムの「手本」となるラジコンヘリの飛行は何度も繰り返され、毎回わずかに違っていたが、スタンフォード大学の開発した学習アルゴリズムは、ラジコン操縦者が取ろうとしている理想的な軌道を識別できたという。その結果、ロボットヘリは操縦者よりもうまく、一貫した飛行ができるようになったと研究者は語る。
自律型ヘリには、地雷を探したり、火災発生地帯をリアルタイムに特定するといった用途で関心が持たれており、スタンフォード大学のロボットヘリは信頼性の高い操縦システムに向けた大きなステップだと同校は述べている。
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