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P2Pを業務システムに──ブラザー「Einy」を不動産営業支援に活用

» 2008年09月30日 10時49分 公開
[ITmedia]

 ブラザー工業は9月29日、コンテンツ配信システム「Einy」(アイニー)を、不動産業者向け営業支援システム開発・販売のミオソフトに提供すると発表した。多拠点への大容量データ配信にP2P技術を活用することで、中央サーバによる一斉配信方式と比べ、配信にかかる時間を10分の1に短縮できるメリットがあるという。

photophoto Einy導入のイメージと、Einy技術の特徴

 Einyはグリッド技術を応用したコンテンツ配信システム。ミオソフトは、賃貸仲介業者向け営業支援に特化したサービス「ミオキューブ」にEinyを採用する。物件情報や店頭チラシなどのデータを「投入サーバ」に登録すると、登録データを断片化。各店舗の端末が、断片化したデータを端末間P2Pで自律的に取得して配信データを構成する仕組みだ。

 ミオキューブを利用しているのは現在約400店舗。更新データは毎月数Gバイトあり、従来の中央サーバ方式では時間とコストがかかっていた。Einyの採用で配信に必要な時間を10分の1に短縮でき、今後の配信先の拡大にも対応。その上扱うデータを大容量化できるため、よりリッチなコンテンツを提供できるようになるとしている。まず100台を対象に、10月1日から試験運用する予定だ。

 Einyは2007年9月にリリース。ミオソフトに提供した「エッジ・ソリューション」は、P2P技術を活用して短時間かつ多拠点に大容量データを配信するシステムで、例えば4Gバイトのファイルを400拠点に配信する場合、クライアント/サーバモデルでは119時間かかるのに対し、Einyなら11時間で済む上、配信先拠点が増えてもかかる時間は変わらないという。データは細分化して配信するなど、セキュリティも確保している。

 今後、デジタルサイネージ(電子看板)やeラーニング、店頭キオスク端末など、多地点へのデータ配信を短時間に低コストで行えるソリューションとして採用を働きかけていく。

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