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「2年かけて準備した」 ドコモ社内ベンチャー応募から起業までベンチャー人に聞く

» 2009年01月06日 14時42分 公開
[宮本真希,ITmedia]
画像 寺崎元治さん(2007年7月撮影)

 一口にベンチャー企業と言っても、成り立ちはさまざまだ。趣味で開発したネットサービスを手に1人で起業する人もいれば、パートナーと起業する人もいる。

 経営者にベンチャー特有の苦労などを聞く「ベンチャー人に聞く」の3回目は、NTTドコモの社内ベンチャー制度を活用し、昨年8月に起業した寺崎元治さん。企業の商品やサービスに関連した検定や、自治体向けご当地検定、新入社員向けの社内検定など、オリジナル検定の制作や運営を請け負うダイナステップを経営している。

――なぜ起業したのですか。

 仕事を通じて「価値を創造する」とか「社会に貢献する」ことを直接実践してみたかったからです。自分がこれまで蓄積したスキルやノウハウが社会で通用するか試してみたかったし、自分が成長できる新しいステージに進みたかったというのも理由です。検定というビジネスを成功させる自信もありました。

――起業について家族は反対しましたか? 賛成でしたか?

 反対されると想定していましたが、意外と賛成でした。何か新しいことにチャレンジする姿に共感してくれたのだと思います。社内ベンチャーなのでリスクが低いことも要因だ思います。

――起業を決意してから、実際に起業するまでどれくらいの時間がかかりましたか。

 2年間です。通常業務をしながら事業化の準備を進めました。社内ベンチャー制度に応募したのが2005年の9月、書類選考に合格したのが12月。2006年の1年をかけて事業化について検証し、2007年8月に設立しました。

――起業を決意してから、まず最初に何をやりましたか。

 まずはビジネスモデルの検証です。お金を使って調査会社に依頼する――といったことは出来なかったので、知人などに5枚程度の説明資料を見せ、利用者の利益は何かを確認して回りました。

 社内ベンチャー制度の書類審査やプレゼンのために、いろいろなビジネス本を読み、経営のフレームワークの理解に努めました。

――起業する際に一番苦労したことは何ですか。

 審査で、検定サービスの市場化を理解してもらえなかったことです。それを裏付けるデータを用意することも大変でした。

 販路の確立・拡大についても不安がありました。顧客から継続して発注を頂いたり、紹介していただくなかで、事業が軌道に乗ってきました。

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