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CMがある方がテレビは楽しい――米研究者が発表

» 2009年02月24日 15時10分 公開
[ITmedia]

 テレビCMを嫌う人は多いが、実はCMがあった方がテレビ番組を楽しく見られることが多い――。米大学の研究者がこのような研究結果を報告した。

 この研究は、カリフォルニア大学サンディエゴ校のライフ・D・ネルソン氏とニューヨーク大学のトム・メイビス氏、ジェフ・ガラク氏によるもの。「Journal of Consumer Research」誌に掲載されている。

 「意外なことだが、テレビを見ている間、番組の面白さは次第に減少する傾向がある。視聴者が番組に順応して、少しずつ楽しさを感じなくなっていくからだ」と研究者らは言う。

 研究者らは、被験者に同じ番組の「CMがなく中断のないバージョン」と「CMによる中断が入るバージョン」を見せて感想を比較した。最初の実験では「Taxi」というコメディ番組を使った。被験者はCMが嫌いと回答したものの、CM入りバージョンを見た被験者の方が番組を好意的に評価していた。アニメーションクリップとネイチャードキュメンタリーを使った実験でも同様の結果が得られた。ドキュメンタリー番組では、CM入りのバージョンを見た被験者は自然保護チャリティーへの寄付の意欲も高かった。

 また別の実験では、CM以外のものを番組中に挿入した場合でも同様の効果が見られることが示された。ミュージッククリップでは、このようなCMによる効果は若い被験者の方が大きかった。

 ただし、「24」のような展開が速く複雑な番組では、視聴者は番組に順応しない可能性が高いため、CMをはさむことによる恩恵はないだろうと研究者らは指摘している。しかし、CMが入っている方が番組が面白いと評価される現象は、コメディ、アニメ、ドキュメンタリー、ミュージッククリップなど幅広い番組で見られたという。

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