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Perlは古い? イメージ復権へ普及団体「JPA」始動、技術者レベル底上げへ

» 2009年04月08日 18時17分 公開
[岡田有花,ITmedia]
画像 JPA理事(前列)と賛同企業の代表者。前列左から2人目が牧大輔さん、3人目がライブドアの池邉智洋最高技術責任者、4人目がDeNAの山口徹さん

 Perl言語の普及を目指す一般社団法人Japan Perl Association(JPA)がこのほど、本格的な活動を始めた。ライブドアやミクシィ、ディー・エヌ・エー(DeNA)など、自社サービスをPerlで構築している23社が賛同。Perl関連資料の整備や技術イベントの開催、技術者の教育、雇用促進などに取り組む。

 Perl関連のドキュメントやリソースなどWebサイトに集約し、技術者が参照しやすいようにするほか、「YAPC Asia Tokyo」など技術イベントを主催してイメージ向上に努める。クラウドやIPv6対応など、先進的な技術の研究も支援。Perlの研修・教育サービスや、検定試験、求人サイト運営も行い、技術者のレベルを底上げしていく。

 Perlは1987年に発表されたスクリプト言語。CGIやシステム管理、テキスト処理などのプログラムに広く使われている。Perlで開発されたモジュールや関連ドキュメントを集めた「CPAN」(Comprehensive Perl Archive Network)には、大量のコンテンツが蓄積されており、応用範囲は幅広い。

 「livedoor Blog」や「mixi」「モバゲータウン」といった大規模サイトもPerlで構築されている。「Perlは後方互換性が高く、安定しているため、企業ユーザーは安心して使える言語だ」と、JPA理事を務めるライブドアの池邉智洋最高技術責任者は話す。JPA理事でDeNAの山口徹さんも「Perlは負荷に強い」と評価する。

 その一方で、誕生が22年前と古いことから「Perlは終わった」とネガティブに語られることもあり、技術者間でのPerlのイメージは良いとは言えない。

 JPA代表理事で、「モダンPerl入門」の著者・牧大輔さんは「1990年代のPerlを見て古いと語る人が多いが、Perlは進化している」と指摘。「コミュニティーが支えてきた言語で、先頭に立って啓発する団体がいなかった」(牧さん)ため低下していたイメージを、JPAの取り組みを通じて回復させていく。

 「PerlはJAVAやC言語などよりも自由に書ける言語で、技術者の力量の差が大きい」(池邉さん)こともあり、優秀なPerl技術者の採用はネット企業の大きな課題になっているという。JPAの活動を通じ、Perl技術者のレベルを底上げし、優秀な技術者の採用につなげたい考えだ。

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