コラム
» 2009年04月17日 16時18分 UPDATE

ミニノートがノートPC市場を破壊する――危機を食い止める策は? (1/2)

安価なミニノートPCがよく売れているが、このままでは利益率がなくなってしまう。MicrosoftとPCメーカーが取れる対策は、携帯電話と同じ「販売奨励金モデル」だ。

[Joe Wilcox,eWEEK]
eWEEK

 世界PC市場に危機が迫っている。MicrosoftはPCメーカーとともに対策を取らなくてはならない。そうしなければ、最後に残った利益率が永久に失われてしまう。Netbook(ミニノートPC)は驚異的なペースで利益率を破壊し、モバイルPCの市場を食いつくさんとしている。

 GartnerとIDCは4月15日、第1四半期のPC出荷台数のデータを公表した。世界PC出荷台数は前年同期から6.5%減少して6720万台、米国では0.3%減の1520万台だった。同四半期も、Netbookの売れ行きは好調だった。

売り上げは「大」、利益率は「小」

 「低価格モバイルPCが米国で市場の成長をけん引した。ミニノートPCは、消費者が節約を第一とする厳しい経済環境の中で健闘した」とGartnerの主席アナリスト、北川美佳子氏は発表文で述べている。「ミニノートPCは依然、低価格モバイルPCに圧力をかけている。この圧力は主にコンシューマー市場で感じられるが、教育市場など法人系の市場にも広がっている」

 この圧力はASP(平均販売価格)を崩壊させる可能性がある。北川氏は、「米国のモバイルPCのASPは2009年第1四半期に最大で20%下落する可能性が高い。全体的に、同四半期のエンドユーザーのPC支出は縮小し、前年同期からの下げ幅は10%台後半になったとみられる」と予測している。

 この予測が暗示するものは強烈だ。通常、ノートPCのASPはデスクトップPCよりもかなり高く、PCメーカーが切望している緩衝材となるだけの利益率をもたらしてきた。2008年に米小売市場のWindowsデスクトップPCのASPは底に達し、500ドル近くになった(NPD調べ)。同年8月の時点で、小売りのWindowsデスクトップPCのASPは569ドル、WindowsノートPCは689ドルだった。1月にはWindowsデスクトップPCは533ドル、ノートPCは602ドルになっていた。

 2月のWindowsデスクトップPCのASPは、ノートPCと20ドルしか違わなかった。モバイルPCのASPは42ドル下がって560ドル。デスクトップPCは540ドルだった。だが、Windowsマシンだけでなく、すべてのノートPCのASPを見ると、デスクトップPCとの差はたった13ドルだった。

 モバイルPCのASPの低下は、Netbookの売り上げ増に密接に関連している。IDCによると、2008年第4四半期のNetbook出荷台数は約500万台と、同年のNetbook出荷台数の半分を占めた。Netbookは通常、400ドル以下、多くは300ドル以下で売られている。

 Netbookの影響を測る方法はほかにもある。昨年8月の時点で、Windows XPは米国の小売りPCから消えかけていた。12月には、XP Home搭載PCはVista Home Premium搭載機に次いで2位、市場の13.7%を占めていた(NPD調べ)。XP Homeを搭載したNetbookが1台出荷されるごとに、Microsoftはかなりの利益率を失う。XP HomeはNetbookの大多数に搭載されている。Vista Premiumマシンの場合、PCメーカーがMicrosoftに払う額は推定で(XPより)50〜60ドル高い。これらの数字はアナリストの推定で、MicrosoftはPCメーカーが支払うライセンス料を公表していない。

 北川氏が予測したトレンドが続くなら、ノートPCのASPは、少なくとも米国ではデスクトップPCを下回ることになるだろう。米国のノートPC市場から利益率が吸い取られている。

 ASPは数カ月前から既に下がっていた。2月までの7カ月間で、WindowsノートPCのASPは129ドル下がって、689ドルから560ドルになった。同じ期間に、ノート型MacのASPは1524ドルから1512ドルへと12ドルしか下がらなかった。AppleはNetbookを販売していない。米国では既にWindowsノートPCのASPが20%以上下がっている。さらに20%下がったら、Microsoftにとって破滅的な事態になる。PCメーカーにとってはもっと深刻だ。

Microsoftの取るべき対策は

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