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「22.2ch音響」を市販ヘッドフォンで NHK、スーパーハイビジョン向けに開発

» 2009年04月21日 07時00分 公開
[ITmedia]
photo 開発したヘッドフォンプロセッサ

 NHKは4月20日、次世代テレビ「スーパーハイビジョン」(SHV)向けの「22.2マルチチャンネル音響」を市販ヘッドフォンでも再現できるヘッドフォンプロセッサを開発したと発表した。

 SHVはNHKが開発を進めている次世代ハイビジョン。画素数は7680×4320ピクセルと、現行フルHD(1920×1080ピクセル)の16倍という超高精細な映像を表示する。

 SHV用の音響として提案しているのが22.2ch音響で、上層に9ch・中層に10ch・下層に3chと低域効果スピーカー2chを配置し、前後左右に加え上下に広がる3次元音響を再現できる。

 ヘッドフォンプロセッサには、音が音源から人間の耳に到達するまでの伝わり方(頭部伝達関数)を測定しておき、あらかじめ入力しておくことで、3次元の音の広がりをヘッドフォンでも正確に再現できるという。

 22.2chを再生するには、従来は22.2ch装置を配置したスタジオなどで聴くしかなく、中継現場などで収音した音をその場で確認することはできなかった。市販ヘッドフォンでも22.2ch音声を再生できるようにしたことで、野外ロケでの番組制作を効率的に行えるとしている。

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