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» 2009年04月22日 07時00分 UPDATE

シャープ「Mebius」再起動 激戦Netbook市場、「液晶タッチパッド」武器に世界へ

激戦のNetbook市場にシャープ「Mebius」が参入した。「液晶タッチパッド」という独自の付加価値を武器に世界展開する計画だ。

[岡田有花,ITmedia]
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 「シャープらしい付加価値でシェアを取っていきたい」――シャープの松本雅史副社長は4月21日、1年ぶりとなるMebius新製品の発表会で、こう意気込みを述べた。新製品「PC-NJ70A」はNetbookアーキテクチャを採用。「液晶タッチパッド」という独自の付加価値を武器に、激戦のNetbook市場に参入する。

 「Eee PC」登場以来急拡大したNetbook市場は、ASUSTeK ComputerやAcerなど台湾勢が主役だ。国内勢も、東芝やNEC、富士通が参入したが、低価格機による消耗戦でPC事業の利益を縮める恐れもあり、難しい舵取りを迫られている。

 国内メーカーはこれまで、Netbookに独自の付加価値を付けて差別化し、台湾勢より高価格帯で販売する戦略を採ってきた。東芝の「dynabook UX」は、キーピッチを19ミリに広げた打ちやすさが売り。富士通「LOOX M」はキーピッチやプリインストールソフト、NEC「LaVie Light」は手厚いサポートが売りで、それぞれ実売価格6〜7万円前後で投入した。

 シャープは独自開発の「光センサー液晶」を採用したタッチパッドという付加価値を武器に、実売8万円前後と台湾勢より3〜4万円高い価格帯に設定。「Netbookが1つの大きなカテゴリーになり、ニーズが多様化した」(同社広報部)このタイミングで投入し、「一家の2台目、わたしの1台目」をキーワードに女性やシニア層の開拓を狙う。

 海外でも販売する計画。欧米に加え、中国や中東など、文字の形状が複雑で、手書き機能を生かせる市場での販売を検討する。

液晶パッドでお絵描きやジェスチャー操作も

 光センサー液晶パッドは、液晶ディプレイの画素1つ1つに光センサーを内蔵した構造。液晶にタッチパネルを貼る必要がなく、薄型化・高画質化できるのが特徴だ。

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 新Mebiusでは、通常のノートPCのタッチパッド部に4型の光センサー液晶パッドが搭載されており、専用ソフトを付属のペンや指を使って直感的に操作できる。

 文字入力やお絵描きソフト、辞書ソフト、ゲームソフトなどがプリインストールされており、写真に文字やイラスト、スタンプを加えてメール送信・ブログ投稿したり、文字入力パッドで漢字を入力して読みや意味を調べたり──といったことが可能だ。

 指2本を使ったジェスチャー操作にも対応し、2本指でなぞってスクロールしたり、指を開いて画像を拡大するといったこともできる。


画像 ピアノ演奏アプリ
画像 手書きアプリ
画像 ボウリングゲームアプリ

 本体のキーピッチは17.5ミリと広く取った。CPUはAtom N270/1.60GHz、メモリは1Gバイト(最大2Gバイト)、HDDは160Gバイト、液晶ディスプレイは10.1型(1024×600ピクセル表示)と、ハードウェアのスペックは一般的なNetbookと変わらない。OSはWindows Vista Home Basic。

「ユーザーに育ててもらう商品」 コミュニティーサイト開設

画像 着せ替えできる

 カスタマイズ性の高さも売りだ。液晶パッドの背景画像は自由に変えられるほか、天板に専用の透明プラスチックシート「アドオンジャケット」(別売り)をはめ込み、好きな写真、イラストなどをはさめば、天板のデザインを着せ替えられる。

 「ユーザーに育ててもらう商品だ」(同社パーソナルアプリケーション事業推進本部の笛田進吾第二マーケティング参事)――サイトで募集した無料モニターを100人から意見を聞くほか、ユーザーコミュニティーサイト「シャープな暮らし研究所」を開設し、使い方や次期モデルへの提案を募集。タッチパッド用のアプリの開発環境も公開し、外部の開発者にさまざまなアプリを作ってもらう計画だ。

PC関連機器で100万台目指す

 新製品は、3月1日に新設した「パーソナルソリューション事業推進本部」が開発。PCや電子辞書、PDA「ザウルス」を開発してきた部署と、スマートフォンなど海外向け携帯電話の開発部署を統合した新部署で、世界的な視野で商品展開していく。

 まずは国内で発売するが、海外にも積極的に販売していく構えだ。従来から展開していた欧米に加え、中国や中東など、文字の形状が複雑で、手書き機能を生かせる市場での販売を検討。PC関連機器で、早期に100万台販売を目指す。

 「ノートPCは世界で1億5000万台市場。ミニノートは2000万台超。新デバイスをトリガーに、シャープらしい付加価値でシェアを取っていきたい」(松本副社長)

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