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マグスル、Second Lifeから撤退へ 「Second Lifeは終わっていない」

» 2010年03月31日 19時40分 公開
[ITmedia]
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 Second Lifeベンチャー・マグスルは、4月1日からSecond Life事業を段階的に縮小し、Second Lifeから撤退すると発表した。Second Lifeの企業利用が減って収益が厳しくなったほか、運営元の米Linden Labとの方針のズレが大きくなったため。Second Lifeは今も活発に利用されており、撤退は「Second Life発展を疑うからではない」と説明している。

 同社は、Second Life上のSIM(島)を区画に分け、個人・企業向けにレンタルしたり、仮想通貨「リンデンドル」を楽天スーパーポイントに交換するサービスなどを展開しているが、それぞれ順次、縮小・撤退する。

 撤退の発表に伴い、新谷卓也社長は「個人的な思い」として、Second Lifeと同社の関わりや、Second Lifeについての考えをつづっている

 同社は2007年末、Second Lifeに参入。その直後から、Second Lifeがマスメディアにこぞって取り上げられたが、その多くが「お金がもうかる次世代インターネット」という紹介の仕方で、Second Lifeが「ゆがめられた情報となって世に広まった」と振り返る。

 Second Lifeには「ビジネスとは無関係のもっと楽しい部分がたくさんあった」。見知らぬ外国人とチャットを楽しんだり、共同でさまざまな物を作って動かしたり、イベントやライブを楽しんだり。だがその楽しさを理解しないまま、最近は「Second Lifeは終わった」など批判的な見方をする人が多数になったと、新谷社長は残念がっている。

 Second Lifeは現在も、日本人だけで2〜3万人が利用。世界中で活発に利用されており、Linden Labの経営は黒字化しているという。

 同社はSecond Life撤退後もネット関連のコンサルティング事業を継続。「いずれ取り組むべき仮想世界プラットフォームと出会うことがあれば挑戦したい」としている。

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