「Display 2010」(東京ビッグサイト、16日まで)で、タッチパネルディスプレイ開発のイーアイティー(東京都文京区)の製品デモでは、ラフスケッチを元に写真を合成できるソフトウェア「Sketch2Photo」を利用している。
Sketch2Photoは、手描きの絵とそれに付けたテキストを元に、似た画像をデータベースから検索・合成できるソフトウェア。中国の清華大学などが開発した画像処理技術で、「SIGGRAPH Asia 2009」で注目を集めた。日本ではソフトウェア開発のエム・アイ・エス・テクノロジー(東京都港区)が販売する予定だ。
「sea」「hill」など背景をテキストで指定し、「バイクに乗る人」や「犬」など合成したい画像のイメージを簡単に描く。それぞれにテキストで「moto rider」「dog」などタグ付けをすれば検索できる。
例えば海の中を魚が泳ぐ画像を作りたい場合には、背景に「Sea」と入力し、魚のラフスケッチを描いて「fish」とタグ付けすれば、それぞれの画像を検索可能。候補一覧から画像を選べば合成できる。
画像はデータベースのうち、指定したタグが付いたものの中から、ラフスケッチに似た形のものを検索する。検索結果から画像を選んで合成画面にドラッグすると、自動で輪郭を検出、背景をトリミングして貼り付ける。より自然な合成を目指したとし、背景に合わせた色調補正も自動で行う。
「フリー提供の画像を使って面白いことができないか」と考えたのが開発のきっかけだという。現存の写真編集ソフトは専門的に学んでいないと利用するのが難しいと、子どもでも使えるようなインタフェースを目指した。現在利用できるのは清華大学が用意したデータベース内の画像のみだが、「将来はWeb上のフリー画像を使えるようにしていきたい」(エム・アイ・エス・テクノロジーの石佳希さん)としている。
当初は、教育機関向けの提供を想定。「将来的には、スマートフォンやiPhone向けアプリの提供もしたい」(同社の宮口忠雄社長)としている。
5〜7月をめどに発売する予定。価格は現在検討中だという。初年度は、3億円の売上げを目指すとしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR