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iPad販売の初速、iPhoneの3倍 国内量販店

» 2010年06月09日 17時05分 公開
[岡田有花,ITmedia]

 調査会社のBCNによると、iPad発売日(5月28日)の量販店での販売台数は、iPhone 3Gの2.84倍だった。「3Gモデル、Wi-Fiモデルと2種類あったことが、販売数の引き上げにつながったのでは」と同社の道越一郎アナリストは分析している。

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 家電量販店のPOSデータとネット通販のデータから集計した(アップルストアとソフトバンクショップは集計対象外)。iPhone 3Gと3GSはそれぞれ、発売日の販売台数がほぼ同じだったが、iPadは両モデルの3倍近く売れている。

 3GモデルとWi-Fiモデルの構成比は55:45と、3Gモデルがやや優勢。スペック別に見ると、3Gモデルで64Gバイトメモリを搭載したハイエンドモデルがシェア35.2%と最も売れており、次にWi-Fiモデルの64Gバイトモデルが売れている(シェア16.0%)。

 発売日翌日以降も順調に売れ行きを伸ばした。「通常、発売翌日以降は在庫切れで売れ行きが鈍ることが多いが、iPadは通信方式やメモリ容量が異なる複数のモデルがあったことで在庫にばらつきが出、伸び悩まずに済んだのでは」(BCNの森英二アナリスト)

 BCNではiPadをノートPCと分類。iPadは5月のノートPC販売シェアの1割弱を占めた。5月のメーカー別ノートPCシェアに占めるアップルの割合も、前月の3.5%から11.5%に跳ね上がり、東芝(22.1%)、富士通(17.4%)、NEC(16.0%)に次ぐ4位に浮上した。5位はソニー(9.3%)。

 「ネットブックがPCの価格を変え、iPadがユーザーインタフェースを変える」――iPadのような、直感的に使えるフルタッチデバイスは、PC市場を急拡大させる可能性があると道越アナリストは期待する。特に、従来のPCは操作が難しいと感じていたライトユーザー層のすそ野が広がるとみている。

 市場拡大の課題として、電子書籍プラットフォームの整備や、iPad対抗となる他社のデバイスの登場などを挙げた。「各社はiPad対抗デバイスの開発を進めているだろうが、市場を広げるためにはライバルは必要」(道越アナリスト)

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