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「男の娘は自由の象徴」 “女装アイドル”が語る「男の娘」(2/2 ページ)

» 2010年07月02日 14時00分 公開
[宮本真希,ITmedia]
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男の娘になって「逆に男らしくなった」

画像 メイク中のノトフさん

 柔らかくて長い髪や高い声……そんな女性らしさにあこがれるという。自身の体型についても、筋肉隆々というよりは、「きゃしゃになりたい。細くてスラッとしている方が美しいと思う」と語る。

 完璧な男の娘になるための努力は惜しまない。ファンデーションにマスカラ、アイシャドウ……と、20分ほどかけてフルメイクする。メイクのテクニックは、女性の友達に聞いたり、ネットで調べたりして研究した。最初はまつ毛の上げ方も分からなかったが、今ではすっかり上達した。

 女性向けの洋服は秋葉原のドン・キホーテか通信販売で手に入れている。メイクと着替えの後、ローファーを履き、ロングヘアのウィッグをかぶれば変身完了だ。下着は男性用を着ているが、最近は女性のバストの丸いラインを手に入れるべく、「ブラを着けたい」と考えることもある。

 女装姿だと女性からよく話しかけられるという。「以前より気軽に女性と話せるようになりました。かと言ってモテる訳ではないんですが……」。男の娘活動について「オタクな友達には言っているけど、親、兄弟には明かしていない」。女装で街を歩くことは「今はもう恥ずかしくない」そうだ。

「男の娘は自由の象徴ですよ!」

画像 漫画「まりあ†ほりっく」の衣装

 「最近、男の娘ブームが来ている」と話す。今年4月に男の娘情報の専門雑誌が創刊されたり、新聞やNHKの番組「MAG・ネット」で特集されたりと、注目度は高まっているようだ。

 女装する男性や、女性っぽい男性キャラが登場する漫画などは以前からあったが、なぜいま改めて、盛り上がっているのだろうか(関連記事:女装少年にキュンキュンきちゃう? 話題の“男の娘”に萌えるべし!

 ノトフさんは「男性が『かわいい』ということに抵抗がなくなってきているからだと思う。かわいければなんだっていいじゃんという感じでしょうか」と話す。また「ジェンダーに対する意識が少しずつ変わってきていたり、個性が大事という教育が社会に根付いてきたという側面もあるかもしれません」と推測。そしてキリッとこう言い放つ。

 「男の娘は自由の象徴ですよ!」

 ノトフさん自身も、男の娘として活動し始めて「世界が開けた」という。「自分の可能性の上限を自分で作る必要なんてない。常識なんてクソくらえなんだなあって」。以前より小さなことを気にしなくなり、「サバサバして、逆に男らしくなったかもしれない」そうだ。

 今後の夢は、職業や肩書に縛られず、「ノトフとして生きていくこと」。「女装も含めて、自分の人生を周りから見てもらえて、こんな生き方もいいなーって思ってもらえるようにしたい」

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