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AdWords10周年 世界初の出稿は

» 2010年10月07日 19時48分 公開
[岡田有花,ITmedia]
画像 フォックスさん

 Googleのキーワード広告「AdWords」が今月、10周年を迎えた。当初はGoogle社内でも賛否両論あったが、現在は同社の年間売り上げ(2兆円強)の約97%を稼ぎ出しているという。現在のシステムは10年前とはかなり異なるといい、地道なチューニングで改善を続けている。

 AdWords以前・90年代までのネット広告は、「ポップアップするなど、ユーザーにとって邪魔なものだった」と、米Google製品管理部門ディレクターのニック・フォックスさんは振り返る。

 AdWordsが米国でスタートしたのは、2000年10月。当初から、検索結果と関連性のある有益な内容を、ユーザーの邪魔にならない形で提示することを目指した。「広告のあり方を根本的に変える機能で、社内外でさまざまな議論を呼んだ」という。


画像画像 世界初、日本初の広告主は……

 最初の広告主は、リリース数分後に現れた。メールで注文を受けるロブスター商店で、「使いやすく、簡単に出稿できると」出稿したそうだ。フォックスさん本人も出稿経験あり。「自分の婚約を伝えるWebサイトを作り、AdWordsで宣伝した」という。

 国内では02年にスタート。初の広告主は印鑑業者で、「同業者が次々に使い始め、広がっていった」と、Google日本法人の王子田(おうしでん)克樹 執行役員は話す。今では個人から大企業まで、世界で100万以上の多様な広告主がいるという。

画像 表示順が決まる仕組み

 AdWordsの表示順は、オークションで決まっている。広告主は、各キーワードについて上限クリック単価を設定。上限クリック単価と、広告のクリック率「品質スコア」で表示順が決まる。クリック単価が高くても、品質スコアが低い場合は上位に表示されない仕組み。「ユーザーがいいと思うものが上位に来る」(フォックスさん)。

 システムは今も地道に改善を続けており「10年前とはかなり違うシステムになっている」。例えばリンクの青色。50種類もの青色から今の色を選んだという。日本のみの機能として、検索結果ページの最後にもAdWords広告が出る。「米国で実験した結果は評判が悪かったが、日本では好まれたので日本は残している」という。

 Facebookのソーシャル広告が注目を浴び、行動ターゲティング広告が普及するなど、広告の形も変わり始めている。だがフォックスさんは、「検索クエリーは、ユーザーが自ら興味を入力する仕組みで、ほかにはない。ユーザーの性別や年齢などは、ユーザーの興味を知る上で必要ないと思っている」と、AdWordsの優位性に自信を持っている。

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