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「すごい……」 美少女ロボ「未夢」のダンスに驚嘆デジタルコンテンツEXPO(1/2 ページ)

» 2010年10月18日 00時24分 公開
[岡田有花,ITmedia]
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 彼女の歌と踊りが終わると、会場の空気が変わった。「すごい……」。観客は目を丸くし、ため息をつく。

 美少女ロボット「HRP-4C未夢(ミーム)」が披露した歌と踊りは、想像を超えていた。「デジタルコンテンツEXPO 2010」(東京・科学未来館など、10月14〜17日)会場で目の当たりにした人からも、Ustreamでライブ映像を見た人からも、驚嘆の声が上がった。

 歌声はVOCALOIDで再現し、ダンスは、専門知識がなくても振り付けできる新開発のソフトで実現。ロボットの可能性を広げたいというクリエイターたちの思いが、見事なパフォーマンスを実現させた。

画像 片足立ちも見事

 HRP-4C未夢は、産業技術総合研究所が開発した日本人女性型ロボットで、身長は158センチ・体重は43キロ。体型は日本人青年女性の平均値を参考に作られており、人間に極めて近い動作が可能だ(関連記事)。これまでファッションショーに出演したり、豊かな表情で歌をうたったり、演技を披露したりしてきた。

 デジタルコンテンツEXPOでは、Every Little Thingの「出逢った頃のように」をVOCALOIDの合成音声で歌いながら、人間のダンサー「未夢フレンズ」と一緒に、TRFのSAMさんが振り付けたダンスを披露。手足や腰を柔らかく動かしたり、時には片足立ちをしたり、細かく表情を変えたりなど、なめらかに踊りこなした。

 “ロボット離れ”した歌と踊りに、観客からはため息が。Ustreamでライブ映像を見た人も、「何これすごい。予想以上」「ぬるぬる動く」「人間のダンサーと比べると不自然さはあるけど、それでもすごい」といった感嘆の声が、Twitterに次々に投稿された(Ustreamで録画公開されているダンス全編の動画。ダンスは13分ごろにスタート)。

専門知識不要でロボットを踊らせられる「コレオノイド」

 未夢の歌声には、人間の声を元に、なめらかな合成音声を生成するヤマハのVOCALOID技術を採用。声はCV-4Cβ(声の提供主は声優の中村繪里子さん)のものだ。歌い方は、ELTのボーカル・持田香織さんそのまま。歌手の実際の歌声をベースに、ネット経由で歌い方を自然に自動調整(調教)できる「Netぼかりす」技術を使って持田さんの歌い方をまねたという。

 ダンスの制御ソフトは、産総研知能システム研究部門研究員の中岡慎一郎さんが開発した「Choreonoid(コレオノイド)」。プログラミングやロボットの専門知識がなくても、CGキャラクターの動きを作成する要領で振り付けできるソフトだ。

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