フラットパネルディスプレイの総合技術展「FPD International 2010」(11月12日まで、幕張メッセ)で、韓国のSamsung ElectronicsとLG Displayはそれぞれ、裏側が透けて見えるディスプレイを出展している。多数出展されている3Dテレビなどと並んで注目を集めている。
液晶ディスプレイ自体は元から透明なものだが、有期ELなどと異なり、画素が自発光するデバイスではないため、裏に設置したバックライトで照らすことで見えるようになっている。裏が透けて見える液晶ディスプレイは、通常のバックライト機構を省いて背面が見えるようになっている代わりに、特殊なバックライト機構を設けることで液晶表示も見えるようにしている。
LG Displayが開発した「Window TV」は、裏側が透けて見える液晶ディスプレイ。一見すると曇りガラス窓のようだ。タッチ操作でき、デモではソフトウェアキーボードを表示して文字入力したり、地図を拡大したりしていた。3DCGを指でぐりぐり回転させるというデモもあり、SF映画のような近未来っぽさだ。サイズは47インチ。
Samsung Electronicsも、裏側が透けて見える液晶ディスプレイ「Window LCD」を展示している。46インチと23インチの2種類あり、こちらもタッチ操作が可能。指をディスプレイ上ですべらせると、映像のなかの黒いブラインドが開いていき、透けて見える部分が徐々に現れる――といったデモを披露していた。
23インチのタイプは、ディスプレイの向こう側に赤い財布を飾り、まるでショーウィンドウ。ディスプレイに女性のイラストや「TREND&CLASSIC」といった文字を表示し、財布をファッショナブルなイメージで引き立てるという、用途提案の1つだ。
FPD International 2010では、シャープなど日本のメーカーと並んで、SamsungとLG、台湾AU Optronicsが大きなブースを構えており、海外メーカーの勢いを感じる。韓国や中国からの来場者も多いようで、透けるディスプレイの前は人垣ができ、盛り上がっていた。
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