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PCもMacもスマホも何台でもOK、マカフィーが個人向けセキュリティソフトで新展開

» 2011年09月29日 16時49分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 マカフィーは9月29日、個人向けセキュリティ対策ソフトの新製品「マカフィー オール アクセス」など4製品を発売した。利用する端末の台数ではなく、ユーザー数を基準とする新しいライセンスを導入した。

 マカフィー オール アクセスは新ライセンスを適用した製品で、1年1ユーザー版が9980円、同5ユーザー版が1万4800円となる。Windows PCやMac、スマートフォン/タブレットで利用でき、インストール台数に制限がないのが特徴。新機能として、端末のアプリケーションが外部サーバなどにアクセスする際にアクセス先が危険であれば通信を遮断する「ネットガード」機能や、USBドライブをPCに接続すると自動的にウイルススキャンを実行する機能を搭載する。

 コンシューマー製品を担当するプロダクトマーケティングマネジャーの小川禎紹氏は、新ライセンスについて「一人の個人が持つデバイスの数が増え、スマートフォンなどを狙う新たな脅威も出現している。全てのデバイスにセキュリティ対策を入れるのはコストや手間も大変なので、どうすればユーザーが簡単に対策を入れられるかを考慮した」と説明する。

 マカフィー オール アクセスは、パッケージの中にカードが同梱され、指定されたWebサイト上でカードに記載されたキーを入力するとユーザーアカウントが発行される。同サイトの専用ページで、セキュリティ対策をインストールする先を指定する。

マカフィー オール アクセス 5ユーザー版の利用形態の一例

 なお、iPhoneおよびiPadではマカフィー オール アクセスを利用できない。同社によれば、原則としてAppStore経由でしかアプリケーションをインストールできないため、この仕組みではマカフィー オール アクセスを提供できないのが理由だという。同社では提供に向けてAppleと調整を図っているといい、当面はiPhoneおよびiPad向けの専用製品を利用してほしいと説明している。

 また、従来通りにインストール台数を基準とするライセンスの製品では統合セキュリティ対策の「マカフィー トータルプロテクション」(1年3台8280円)、「マカフィー インターネットセキュリティ」(同6980円)、「マカフィー アンチウイルスプラス」(1年1台4280円)の2012年版を発売した。トータルプロテクションにはファイル暗号化機能や安全な短縮URLの作成機能が追加されている(オール アクセスにも搭載)。

Intel体制も本格始動

米McAfeeのトッド・ゲブハート共同社長

 新製品発表の場には、米McAfee共同社長のトッド・ゲブハート氏も登壇し、2月末にIntelによる買収が完了して以降の同社の経営体制などについて説明した。

 現在、同社はIntelの100%子会社になり、ゲブハート氏とマイク・デシーザー氏による共同社長体制となっている。ゲブハート氏は事業戦略やコンシューマービジネスなどを、デシーザー氏はセールスやマーケティング、サポートなどを担当。同社取締会は独立組織で、Intelのポール・オッテリーニCEOを報告先としている。

 Intelとの協業にいる最初の成果として、ハードウェアベースのセキュリティ技術基盤「DeepSafe」を先ごろ発表した。この技術はOSレベルでも防御が困難な不正プログラムのシステムへの侵入、実行を防ぐことを目的にしたもの。「OSより下のレイヤに本格的なセキュリティ機能を実装するのは当社が初めて。rootkitのような攻撃者たちの悪質な手法からシステムを非常に高いレベルで保護できる」(ゲブハート氏)という。

 McAfeeは10月に開催する自社イベントで、DeepSafeを採用したセキュリティ対策の新製品を発表する予定。2012年以降にコンシューマーと企業向けの両分野で本格展開を開始する計画だとしている。

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