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MSのバルマーCEOが講演、Windows 8とその先を語る

» 2012年05月21日 19時08分 公開
[國谷武史,ITmedia]
スティーブ・バルマーCEO

 日本マイクロソフトは5月21日、パートナー企業向けカンファレンス「Windows Partner Executive Summit」を都内で開催、米Microsoftのスティーブ・バルマーCEOが講演を行った。バルマー氏は年内にリリースする予定の「Windows 8」に触れながら同社の方向性を紹介した。

 講演の冒頭でバルマーCEOは、2012年が同社にとって「Windowsの再創造」の取り組む一年だと語った。IT市場ではAppleのiOSやGoogleのAndroid OSを搭載したスマートフォンやタブレット端末が人気を博すが、「Windowsには膨大な数の基盤がある。あらゆるデバイス、そして、クラウドとの連携による新たなビジネスを生む強力な基盤だ」とし、Windows 8が同社の描く次世代のITビジネスの“窓”になることを強調した。

 バルマーCEOは、同社が注目する9つの事業領域――Windows、Window Phone、Office、Xbox、Bing、Skype、Windows AzureとServer、SQL、Dynamics――を挙げる。「広大なITの世界の中で当社はこれらにフォーカスしてパートナーとビジネスを展開している。例えば、Windows Azureがバックエンドで動き、それをWindows PhoneのMetro UIで操作する世界が既にある」(バルマー氏)

 さらに注目する技術としては、「機械学習」「フォームファクタ/ユーザーインタフェース」「クラウド」「コアプラットフォーム」「新たなシナリオ」を掲げた。

Microsoftがフォーカスするというビジネス領域(左)と技術領域

 「機械学習ならビッグデータという膨大な情報からユーザーが何をしたいのか、そして何を提供すれば良いかを自動的に学ぶ。新たなシナリオとは何か、Skypeを買収したのはコミュニケーションの姿を変える可能性を秘めていただからだ。バーチャル会議でリアルな感覚を再現できるようになりつつあるが、これはエンターテインメントの世界にも通用する」(バルマー氏)

 バルマー氏は、「Windows 8によって、Windows 7でユーザーが“気に入ったもの”がレベルアップしていく、何かをトレードオフしなければならないということがなくなる」と述べ、最新OSがデバイスの違い、オンプレミスやクラウドの違いといった“隔たり”を取り去るものだと強調した。

“Windowsの再構築”と位置付けるWindows 8

 Windows 8は、6月上旬にも正式版の前段階である「Release Preview」が公開される予定で、今年後半に正式版の出荷を開始する計画。バルマー氏は、「日本のパートナーとは25年来の強力なエコシステムを構築しており、次の25年に向けたイノベーションを創造してきたい」とコメント。20億ドル規模の予算を投じて同社最大規模というプロモーションも展開すると表明した。

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