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「iPhoneとiPad持ってない人、人生悔い改めて」――孫社長が講演SoftBank World 2012

» 2012年07月11日 17時14分 公開
[ITmedia]
画像 iPhoneとiPadを武士の両刀になぞらえる孫社長。iPhoneを持ち始めて以来、腕時計や目覚まし時計、紙の地図を使わなくなったという

 「iPhone、iPad、スマートフォン、どれも持っていないという人は、今日から人生を悔い改めていただきたい」――ソフトバンクの孫正義社長は7月11日、都内で開いた法人向けイベント「SoftBank World 2012」の基調講演で、「過激な言い方」と断りつつもこう呼びかけた。iPhoneとiPadを武士の小刀と大刀になぞらえ、両方を携帯する“二本差し”が現代の武士たるビジネスパーソンのたしなみだと力説。iPhone、iPadを社員全員に支給すると業務効率が劇的にアップするとアピールした。

 「iPhone、iPad、片方しか持っていない状態では、戦に出たら負ける」。情報が武器になる現代、企業戦士は武士の両刀のように、両端末を身につけるべきと孫社長は言う。「織田信長の時代から歴史は繰り返す。鉄砲は雨が降ったら使えないなど、シニカルな見方をしたところは戦に負けた。いち早く文明の利器を手にして戦える構えをつくるのが大事」

 ソフトバンクの創業期、“情報革命”が危機を救ったと話す。ソフトウェア流通事業で赤字が続いていたころ、社内にLANを構築し、デスクトップPCを支給し、オンラインの稟議システムを構築。稟議が上がって24時間以内に決裁者の返事がなければ自動で承認とみなす仕組みで、「他社が1週間、1カ月かかっている稟議を1日に短縮できたのは、LANがつながっていたからだ」。


画像 孫社長はiPhone、iPadを世に送り出した故スティーブ・ジョブズ氏を絶賛。「フォードやエジソン、ダビンチなど歴史上の偉人に匹敵する」

 端末はデスクトップPCからノートPC、iPhone、iPadと変遷。現在、ソフトバンクグループは全社員2万人にiPhone、iPadを支給している。会議など社内業務でペーパーゼロを実現したほか、商談に紙の資料を持っていく必要がなくなって業務が効率化し、営業マン1人当たりの顧客訪問件数が2倍に増えたという。「ワークスタイルのプラットフォームが変わると生産性が変わる」と孫社長は力を込める。

 これまでにiPhoneを導入した企業は15万社以上、iPadは6万社以上にのぼるという。例えば全日本空輸(ANA)は、キャビンアテンダントにiPadを支給し、分厚いマニュアルや学習用動画教材をiPadに入れて活用。LIXILは、商品カタログ500冊分と商品を説明する動画をiPadに収録し、営業活動に使っているという。


画像 講演のオープニングでは、ソフトバンクを坂本龍馬と海援隊になぞらえたビデオが再生された

 iPhoneやiPadなら、端末を紛失したり盗まれた場合も遠隔操作でデータを消去できるなどセキュリティも万全だとアピール。「ソフトバンクは電波がつながりにくい」という課題も、7月25日から対応が始まる900MHz帯「プラチナバンド」が解消すると話す。「プラチナバンドの電波もコンクリートの壁を通過できないから、都心部ではつながりにくいと言う人もいるが、全くの“素人専門家”だ」と孫社長は批判。「プラチナバンドはビルの窓から回り込んで建物の中に入る」とつながりやすさをアピールした。

 孫社長は肌身離さずiPhoneとiPadを携帯し、「24時間情報武装」しているという。人口減や少子化で日本の産業が競争力を失う中、「現代の最新の武器を持つことでワークスタイルが変わり、競争力をもういちど取り戻すことができる」と力説。「正義なき力は世にとって害かもしれないが、力なき正義は無力。正義のために命をかけ志を高く持ち、あわせて情報武装を」と呼びかけた。

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