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» 2012年10月18日 16時16分 UPDATE

VOCALOIDを歌って調教するぼかりす製品版、自分で歌って使ってみました (1/3)

VOCALOIDをまるで人が歌っているよう調教する謎の技術「ぼかりす」が登場して4年と5カ月、ついに「VOCALOID3 Job Plugin VocaListener」として市販されることに。リリース直前のバージョンで歌って使ってみた。

[松尾公也,ITmedia]

 VOCALOIDをまるで人が歌っているよう調教する謎の技術「ぼかりす」が登場して4年と5カ月。この神調教技術がようやくわれわれのものになる。VOCALOID 3のオプション「Job Plugin版ぼかりす」として10月19日に発売されるのだ。価格は1万9800円。正式な製品名は「VOCALOID3 Job Plugin VocaListener」。リリース直前のバージョンをしばらく使ってみて確信した。やはりこの技術はすばらしい。

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 さっそく「Job Plugin版ぼかりす」の使い勝手をお伝えしたいところだが、その前に、VOCALOIDとぼかりすの関わりを振り返ってみよう。それはつまるところ、「よりリアルな歌声」を求めるための過程でもある。

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 簡単にまとめると、ぼかりすというのは、人間の歌唱音源から音の高さと音量を取り出して、それにできるだけ似せるようにVOCALOIDのパラメータを変化させる技術だ。ボカロPがVOCALOIDの歌唱に施してきた工夫とは別のアプローチで「人間くさい歌い方」を実現してしまう。

「リアルな歌唱スタイル再現」がブームに

 歌声合成のジャンルでは、単に人間の声質に似せるだけでなく、さまざまな歌唱方法を実現するための研究が進んでいる。2月に静岡県浜松市で開催された「歌声情報処理最前線!!」では、GACKTのボーカルスタイルを忠実に再現する「ロックボーカルレゾネーター」、奄美大島のグインという歌唱方法を真似る「奄美大島グインレゾネーター」が発表された。Sinsyの名古屋工業大学とヤマハとの共同研究ではラップスタイルの歌唱についての発表が行われた。ヘビーメタルの変種で使われるデスボイスの歌唱スタイルを人工的に再現するための研究も進められている。

 このイベントではVOCALOIDの父であるヤマハの剣持氏の発表も行われ、VOCALOID3のさまざまな改良点について解説したが、最も強く強調していたのは、VOCALOID3 Editorの拡張機能であるJob Pluginについてだった。出席者はいずれも歌声合成の研究者なので、LUAというスクリプト言語で自由にVOCALOID 3のパラメータをいじることができる仕組みが役立つと考えたのだろう。

 ぼかりすも、このJob Pluginの仕組みを使ったものになる。現在ヤマハやサードパーティの開発者、ボカロPが提供しているプラグインよりも複雑なのものなので、別アプリとしてインストールする必要があるが、「80年代アイドル風歌い方」「しゃくり」などのプラグインと同様に利用できる。

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