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» 2013年02月18日 19時48分 UPDATE

Social Media Week:「世界のすべてをポケットに」 Twitterが目指すもの

「地球の鼓動を感じていただけるサービスになりたい」。Twitterはそんな理想を描いているという。

[岡田有花,ITmedia]

 「Twitterは、世界のすべてがポケットの中で見られるとしたら、それはどういうものなのかを追求したサービスだ」――Twitter Japan代表の近藤正晃ジェームス氏は2月18日に開幕した「Social Media Week」の講演で、Twitterの歩みと思想について語った。世界中の人が、必要な情報をリアルタイムに得られるツールを目指し、開発を進めてきたという。

 Twitterのアクティブユーザー数は約2億。うち6割をモバイルからのユーザーだ。1日当たりのツイート投稿数は4億。世界約30の言語に対応しており、日本語は、英語に次いで対応した2番目の言語。日本は秒間ツイート数世界一の記録を持つなど、Twitterにとって重要な市場の1つだ。

地球の全体像を見たい

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 世界のユーザーが日々、リアルタイムで情報や感情を投稿するTwitterは、「地球で何が起きているか、“鼓動”を感じ取りたいという欲求の延長線上にある」という。

 近藤氏は、米Twitter創業者・ジャックー・ドーシーもあこがれていたというヒッピーのカリスマ、スチュアート・ブランドがNASA(アメリカ航空宇宙局)に対して1966年から展開した、地球の写真を公開する請求運動を紹介。「地球の全体像を見たいという欲求は常にわれわれにある」と話す。

 「スチュアート・ブランドが運動を始めた6年後、1972年に、NASAはアポロ17号から撮影した地球の写真、“Blue Marble”を公開し、この写真がいまだに、世界で最も交換・共有された写真になっている。それまではインターナショナルという言葉が一般的だったが、グローバルという言葉が広がり、環境運動や、グローバルな課題解決への意識が進んでいった」

 地球を見たい、宇宙とつながりたい――そんな望みは今、Twitterでかなえられる。Twitterには世界の宇宙飛行士が参加。宇宙飛行士ロン・ガランさんは、国際宇宙ステーションからハリケーンやオーロラを撮影し、Twitterに投稿した。

 Twitterは、各地の重大事件を速報するインフラにもなっている。米国ニューヨークのハドソン川で09年に起きたUS Airways旅客機の不時着事故を最初に速報したのも一般ユーザーだったし、11年英ロンドンで起きた暴動の写真は、Twitterに続々とアップされ、「アラブの春」での情報流通にもTwitterは活躍した。

 「なぜこんな夜中に、ヘリが飛んでいるんだろう」――パキスタンのアボッターバード在住のSEのこんなツイートが投稿されたのは、ウサマ・ビン・ラディンが米軍に殺害された夜。ヘリの音は、米軍の特殊部隊のものだった。

 最近ではローマ法王もTwitterを活用するなど、世界中の有名・無名、さまざまな人々や機関がTwitterで情報を発信。「一次情報が現場から発信され、それによって歴史が動く例もある」

米国上院議員のTwitter利用率は100% テレビと連携も

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 政治家によるTwitter利用も盛んだ。米国では、上院議員の100%、下院議員の90%、州知事の98%がTwitterを活用。昨年の大統領選の第1回討論会では100万以上のツイートが投稿されるなど、Twitter上でも活発に議論が行われたほか、テレビ番組でもTwitterの活用が目立った。

 例えば、米国民のツイートを解析し、有権者が注目しているトピックをあぶり出して紹介したり、候補者同士の討論番組放送中に、候補者が質問にきちんと答えたかそうでないかをハッシュタグで投稿してもらい、視聴者の反応を候補者にフィードバックする──といった企画が実施されたという。

 「Four more years.」(さらに4年だ)──大統領選で再選が確実となったバラク・オバマ氏は、勝利演説に先立ち、妻とに抱き合う写真を添えて投稿した。このツイートがリツイートされた81万回という数字は、リツイート数の世界記録になっている。

東日本大震災時の教訓、世界に

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 11年3月11日の東日本大震災時にも、Twitterは情報インフラとしての役割を果たした。地震直後、国内の1分あたりのツイート数は約3000から1万1000と、4倍近くに激増。日本の津波や原発事故に関するツイートが世界各国に届き、そこからまた各地に拡散される――という流れもあり、東日本大震災に関する情報は、11年にTwitter上で最も共有された情報になったという。

 東日本大震災の経験から同社は、「世界は新たなライフラインを必要としている」と実感。Twitterが非常時の有益な情報源になれるよう、日本で学んだ知見を基に、世界の災害発生時に活用できるよう取り組んでいるという。

地球の鼓動を感じられるサービスに

 Twitterは、地球で起きているさまざまなことが、ユーザーの関心に合わせてリアルタイムに見られるプラットフォームを目指している。「世界は140文字で変えることができる」――140文字以内の名言を引き合いに出し、近藤氏は言う。

 「ハドソン川で飛行機の不時着写真を撮った人も、パキスタンでヘリの音が聞こえるとツイートした人も、震災で情報を伝えた方々も、必ずしも有名な方ではないが、その場に立ち会い、何かを発した方で、1つ1つがかけがえのないツイートになったと思う。そういったことを通じて世の中は変えられる」

 「Twitterは、世界中の人々が何に関心を持っているのかを見て取れるプラットフォームとして開発を進めている。みなさんにもっと、地球の鼓動を感じていただけるサービスになりたい」

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