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» 2013年03月01日 09時10分 UPDATE

ユーザーの反応に「完全に狼狽した」 はてなブックマーク、リニューアルの意図と背景 (1/2)

はてブのリニューアルに批判が殺到し、「完全に狼狽した」と担当ディレクター。はてブは開発者主体のサービスから、編集視点を加えたメディアへと変化してきている。

[岡田有花,ITmedia]
画像 リニューアル告知記事には「これはひどい」タグが付き、辛らつなコメントが

 「完全に狼狽(ろうばい)した」――「はてなブックマーク」(はてブ)リニューアルのディレクターを務めたはてなのディレクター・伊藤博典さんは、リニューアルに対するユーザーの反応を見た感想を率直にこう語る。

 1月8日、はてなブックマークのトップページとカテゴリーページをリニューアル。アルゴリズムを刷新し、同じ記事が長く滞留しないようにしたほか、デザインも一新。ブルー一色のリスト風の記事一覧からカラフルな配色に変え、一部ページではタイルを並べたようなデザインに刷新した。

 大幅なリニューアルは2008年以来、4年ぶり。思い切った刷新を評価する声がある一方、ドラスティックな変更に対する否定的な意見も殺到し、ブログ記事のブックマークには「これはひどい」タグが付き、「見づらくなった」など辛らつな声が次々に寄せられた。

 4年間変化のなかったトップページをガラリと変えれば、ユーザーは驚くだろうと想定はしていたが、実際の反応を目にし、「完全に狼狽した」と伊藤さんは振り返る。「ユーザーの声は、自分たちの印象とマッチしていた」とも感じており、同社の視点とユーザー声をすり合わせながら、調整を続けている。

はてブチームに初の編集者

 「ホットエントリーがつまらなくなっているのでは」。リニューアルの背景にはそんな問題意識があったという。

 昨年9月から、はてなブックマーク開発チームは、毎日のホットエントリーを振り返るミーティングをスタート。雑誌や「mixiニュース」の編集者を経てはてなに入社した伊藤さんを迎え、ホットエントリーの中身について議論を始めた。チームに編集者が入ること自体が異例で「初だったと思う」と伊藤さんは言う。

 従来のホットエントリーは、ユーザーが作る「聖域」のような扱いで、ブックマーク数が多いものを順番に並べる素朴なアルゴリズムを採用していたが、上位の記事には、英語学習法のハウツーなど「ライフハック系」と呼ばれる記事が極端に多いなど、偏りも指摘されていた。

 そもそも、はてブで記事をブックマークする目的は、人によってバラバラだ。ハウツー記事を「後で読もう」とストック目的でブクマする人もいるし、時事性の高い記事をたくさんの人に広めたいとブックマークする人もいる。前者ははてブを「ツール」として扱い、後者は「メディア」として扱っているとも言える。

 これまでのはてブトップページは、「ツールのポータルという意味が強く、インターネットの目次、リストのようなものだった」と、同社デザイナーの川上淳さんは指摘。リニューアルでは、「ツールのポータル」という見方からいったん離れ、「メディア」としてのはてブの魅力を高めることを意識した。

新鮮で面白いはてブに

 はてブというメディアで、「面白い」ホットエントリーとは何か――チーム内で議論するうち、浮かび上がったのが「時事性」「独自性」というキーワードだった。リニューアルでは、時事性・独自性の高い記事を目立たせることを意識し、アルゴリズムやデザインを調整していったという。

 ホットエントリーは、更新頻度を高めて情報が滞留しないよう工夫するとともに、はてブの各ページから実際にクリックされている率が高い記事や、ブクマ数が増えている記事の重み付けを上げるなどし、「後で読む」ではなく、「今」読まれている記事が上位に来るよう工夫。その日にしか読めないユニークなコンテンツを引き上げようと意図した。

画像 新着記事一覧は、タイル風デザインに

 独自性の面ではブログに着目。匿名で記事を書ける「はてな匿名ダイアリー」でブックマークが付いた記事や、同社のブログサービス「はてなブログ」「はてなダイアリー」の人気記事を集めたコーナーを特別に設け、個人ブロガーの声も広く届けようと工夫した。

 トップページやカテゴリーページ、新着一覧などは従来、上から順に並べるリスト型だったが、リニューアル後は上下左右にタイルを並べたような表示方法に変更。画像アイコンを大きく表示するとともに、記事カテゴリーごとにヘッダの色を変え、色彩豊かで、iPadなどタブレット端末でも見やすいページを目指した。

 目指したのは、ページをぱらぱらめくるだけで楽しめ、興味あるものを見つけてじっくりと読んでもらえる雑誌のようなデザイン。「コンテンツそのものにスポットを当てつつ、全体を見渡すと、今どういうことが起きているか、“面”として大まかに把握できるデザインにしたかった」(川上さん)

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