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売りは「究極のクローズド」 410万DL突破のカップル専用SNS「Between」の狙い(1/3 ページ)

» 2013年10月09日 09時00分 公開
[本宮学,ITmedia]
photo Between

 恋人同士、2人だけのSNS――そんなうたい文句の“カップル専用SNS”がひそかなブームとなりつつある。FacebookやTwitterなどパブリックなSNSが広く普及する中、「究極のクローズド」が売りの恋人向けツールが人気を集めているようだ。

 現在、カップル専用を掲げるWebサービスは「Pairy」(TIMERS)、「恋人たちのRing」(リクルート)など数多い。そんな中、ひときわ多くのユーザーを集めているサービスの1つが「Between」(iPhone/Android)だ。2011年11月の公開以来ユーザー数を増やし続け、今年8月には全世界で410万ダウンロードを突破したという。

 運営するのは韓国発のベンチャー・VCNC。日本国内でも40万ダウンロードを突破し、今年4月には日本法人を立ち上げた。日本法人の代表を勤める梶谷恵翼さん(24歳)は「オープンなSNSに息苦しさを感じる人が増えている。BetweenのようなクローズドSNSが成長できる余地は大きい」と話す。

韓国ではカップル2組に1組が利用 “あのアイドル”もユーザー?

 Betweenの機能はシンプルだ。チャットや画像共有など、LINEやカカオトークなどのメッセンジャーサービスと似た機能を多く備える。このほか、カップル内の記念日が近づくと通知してくれる「記念日アラート機能」や、カップル向けのスタンプ(絵文字)など、カップル向けに特化した仕組みも備えている。

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 利用するには、2台のスマートフォンにアプリをインストールし、互いの端末をペアリングすればOK。誰にも邪魔されない「2人だけのプライベートSNS」が完成する仕組みだ。登録ユーザーのアクティブ率は7〜8割と高く、1日当たり2200万件のメッセージと25万件の写真がBetween上でやり取りされているという。

 対応言語は英語や日本語、韓国語など18言語(9月現在)。中でも韓国でのダウンロード数が多く、全体の約6割(約250万ダウンロード)を韓国ユーザーが占めている。同社によれば、韓国でスマートフォンを所有している20〜30代のカップル人口は400〜500万人というデータもあり、「2組に1組はBetweenを使っている計算になる」という。

 しかし、なぜユーザーは数あるコミュニケーション手段の中からカップル専用SNSを選ぶのか。キーワードは「2人きりの特別感」と梶谷さん。「一般向けメッセンジャーサービスでは、誰とやり取りしていても同じプッシュ通知しか来ない。Betweenは、恋人からのメッセージがすぐ分かるように専用の着信音があり、恋人の間でのホットライン的なツールになっている」

 こうした機能がきっかけで、有名人のスキャンダルが発生しかけたケースも。梶谷さんによると、韓国出身のアイドルグループが日本のドキュメンタリー番組に出演した際、メンバーのスマートフォンからBetween専用の着信音が流れたことがあったという。「一部のユーザーに気づかれてヒヤヒヤしました」と梶谷さんは笑う。

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