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「セール品の価格チェックはしている」が……楽天市場、「想定外」の不当表示はなぜ起きた 担当幹部に聞く(1/3 ページ)

» 2013年11月08日 18時08分 公開
[岡田有花,ITmedia]

 「まったくの想定外だった」――「楽天市場」の運営を統括する楽天の高橋理人常務は、「楽天日本一セール」で浮上した、不当な二重価格の問題についてこう説明する。

画像 楽天日本一セールの跡地

 「楽天日本一セール」は11月3〜7日に実施。日本一に輝いた東北楽天ゴールデンイーグルスの星野仙一監督の背番号「77」にちなみ、77%オフの商品を目玉として販売し、「非常に大きな成功をとげた」と三木谷浩史社長も自賛するほど大きな売り上げがあったという。

 一方で、一部の店舗に、通常価格で販売しているのに「77%オフ」など大幅に割り引いているように見せかる不当な二重価格が表示されていた疑いが濃厚に。楽天は20店舗・約1000商品について、不当表示の疑いが濃いとして店舗を閉鎖し、調査を進めている。

 「ネット通販に不当な二重価格表示の問題が根強くあることは認識しており、厳正な対策を取ってきた」と高橋常務は訴える。だが今回の20店舗は、楽天側の対策をすり抜けていた、というのが同社の説明だ。

 同社によると、以前から不当な二重価格表示の問題は認識しており、店舗に対しては規約やガイドラインで不当表示を禁止し、店舗用CMS「RMS」上で注意喚起したり、店舗のコンサルティングを行う担当者が直接、店舗に注意することもあるという。

 セール専用ページやセール用検索「セールサーチ」に掲載される商品は全て事前審査制。セールに参加したい店舗は、割り引き予定の商品と価格を楽天に申請する。楽天は、店舗が元値を不当に引き上げていないかなどを、過去の販売実績と照らし合わせてシステムでチェックし、引っかかった場合は人手で確認。審査に通った商材のみを、セール専用ページやセールサーチの検索結果に追加する――という流れだ。

 審査を経て今回の「日本一セール」に参加した店舗は、全店舗の2割に当たる約8000店舗、商材は約500万。公式セールへの参加に費用は不要で、申請すればどんな店舗・商材でも参加できる。また、参加は任意で、楽天から強制することもないという。

便乗“勝手セール”という「想定外」

 不当表示が疑われている20店舗は、公式セールに参加申請をせず、公式セールページやセールサーチにも載らない“勝手セール”を行っていたという。

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