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「広く問題提起」──ドワンゴ「入社試験に受験料」発案の川上会長に聞く、その真意と“就活”観(5/5 ページ)

» 2013年12月06日 11時58分 公開
[山崎春奈,ITmedia]
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──自身が組織やプロジェクトを始める時、人をとる基準にしているものは

 正直、明確にはないですね。一番大事なのは縁です。誰と仕事をするか選ぶというより、手持ちのカードで勝負するしかない。手近な人で誰に頼もう? という発想の方が多いです。案外、なんとかデッキ組めるものですよ。

 例えば、今ジブリのプロデューサー見習いをしているのも完全に縁ですからね。鈴木敏夫プロデューサーなんて「先週道端ですれ違ったから」とかで声優を決めたりするんですよ。……まぁそれは極端な例ですが(笑)、ジブリで働く人はリクナビからエントリーしてきてるわけじゃない、100人のプロデューサー候補がいてSPIの点数で僕が選ばれたわけでもない。能力でいうと向いてるかどうかはわからないですけど、今この立場をやってるわけですよね。クリエイティブな現場は特に、どう出会い、どう働くかが本当に大事だなと思います――そういうことを感じていただける映画「夢と狂気の王国」が今公開中なのでぜひ見てください、と宣伝しておきます(笑)。

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──今就活に挑む立場だとしたらドワンゴを選ぶか

 今選べるとしたら……そうですね、有力な候補の1つになるんじゃないですか。数年前だったらやめてましたね。というのは、僕自身がこの2、3年、ドワンゴにかなりコミットしてるんですよ、外から見たらそう見えないかもしれないですけど。その前は若干どうでもいいと思ってた時期があった(笑)。ジブリという外の環境で働くことになって、愛着が沸いた部分があります。

──「2525円」を払って受験する学生に期待することは

 お金を払ったからといって“まともな”採用を期待しないでください。僕らがやるのは僕らができる評価であって、落とされたからといって当然あなたの人間性を否定するものではありません。何度も言いますが、人間が人間の能力を完璧に見抜くのは不可能だし、いい加減で気まぐれな判断やフィーリングになってしまう瞬間があるのも当然です。縁があれば、一緒に働きましょう。他に縁があれば、そこで頑張ってください。世の中そんなものです。

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