米NBCテレビは2月5日、米当局による監視活動を暴露したエドワード・スノーデン氏から入手した新情報をもとに、英国の情報機関がハッカー集団のAnonymousとLulzSecに対してサービス妨害(DDoS)などの攻撃を仕掛けていたことが分かったと報じた。
ただ、この標的型攻撃によって、違法行為を行っていない政治活動家のWeb通信まで妨害されたほか、Anonymousとは無関係なWebサイトがダウンするなどの影響が出た可能性もあるという。
この情報の根拠となっているのは、スノーデン氏が米国家安全保障局(NSA)から持ち出したとされる2012年の文書。NBCによれば、英国のNSAに相当する政府通信本部(GCHQ)がAnonymousに対して分散型サービス妨害(DDoS)攻撃を仕掛ける「Rolling Thunder」作戦を展開し、活動家同士の通信を妨害。Anonymousのインターネットチャットルームのユーザーの80%を締め出したとされる。
さらに、IRCと呼ばれるチャットルームに潜入してWebサイトの情報を流出させていた人物を突き止め、関係者の摘発にこぎつけたという。
しかし、AnonymousのチャットルームをホスティングしているサーバにDDoS攻撃を仕掛けたことで、同じサーバでホスティングされていたAnonymousとは無関係なWebサイトや、同じISPが運営していた別のサーバがダウンするなどの影響が出たという。
この攻撃を実行していたのはGCHQの「Joint Threat Research Intelligence Group(JTRIG)」という部門で、その存在が明るみに出たのは初めて。「インターネット潜伏活動」などを任務とし、電話やコンピュータ、メールなどの妨害、敵を装ってだます作戦などを展開していたとNBCは伝えている。
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