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漫画・アニメ海賊版「大規模削除」始動 正規版サイト「Manga-Anime Here」オープン

» 2014年07月30日 11時02分 公開
[ITmedia]
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 「海賊版からは新しい才能は生まれてきません」――日本の出版社、アニメ関連企業15社が参加する「マンガ・アニメ海賊版対策協議会」は7月29日、日本の漫画・アニメ海賊版の大規模削除などを行うプロジェクト「MAG PROJECT」(Manga-Anime Guardians Project)を8月1日にスタートすると発表した。まずは漫画約500作品、アニメ約80作品について、5カ月間集中的に削除依頼を行い、正規版のリンク集「Manga-Anime here」に誘導する。

 対象作品は、ネット上で侵害が確認されていること、正規流通が行われているか予定があることを基準に選んだ。削除依頼対象サイトは、ストレージサイト、Torrentサイトに加え、アニメは動画投稿・共有サイト、海賊版動画へのリンク集「リーチサイト」を、漫画はオンラインリーディングサイトを対象とする。

画像 Manga-Anime here

 正規版コンテンツのリンク集「Manga-Anime here」を7月30日にオープン。ファンを海賊版から正規サイトに誘導する。啓発のための動画も30日に公開し、「名探偵コナン」「ONE PIECE」「進撃の巨人」のキャラクターなど、出版社・アニメ製作会社の枠を越えたキャラクターがメッセージを送る。動画のオリジナル楽曲は「JAM Project」が手がける。

 MAG PROJECTは「出版社、アニメ制作会社の枠を越えた、マンガ・アニメの“輝ける未来”を考えるプロジェクト」という。プロジェクトの中心は「マンガ・アニメを楽しんでいる世界中のファン、つまりみなさま」であり、「海賊版からは新しい才能は生まれてきません。みなさまに正しい形でコンテンツを楽しんでいただくことが、クリエイションの現場を活性化し、想像を超える新たな作品が生まれるきっかけとなります」としている。

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 プロジェクトは、経済産業省の13年度補正予算「コンテンツ海賊版対策強化事業」の委託事業。事務局を務めるコンテンツ海外流通促進機構(CODA)は、「海賊版の存在がコンテンツ海外展開の大きな障害の1つになっている」と指摘。ユーザーが海賊版を利用しなくなる理由の調査で、「海賊版が見られなくなること」「正規配信が増えること」が上位にあがっているとし、海賊版削除と正規配信への誘導を進めていく。

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