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ルネサスが個人の“モノ作り”支援 「“動くモノ”開発プロジェクト」始動、モーターモジュール試作

» 2014年11月19日 19時37分 公開
[ITmedia]
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 ルネサスエレクトロニクスは11月19日、“動くモノ”を誰でも作れるようにする「ルネサス“動くモノ”開発プロジェクト」を立ち上げたと発表した。第1弾として、小型モーターで動く玩具から大型モーターが必要な家電まで、さまざまな“動くモノ”を誰でも簡単に試作できるというモーターモジュールを試作。11月23日〜24日の「Maker Faire Tokyo 2014」(東京ビッグサイト)に出展する。

 個人でモノ作りをする「MAKERS」と呼ばれる人が増え、大小さまざまなモーターが市販されているが、モータの種類ごとに制御方法や物理インタフェースが異なるため、専門知識のない人が使いこなすのは困難だった。

 試作したモーターモジュールには、各モーターに特有の制御プログラムを内蔵したマイコンを組み込み、「モーターの回転速度は1秒間に10回転にせよ」など簡単なコマンドを入力するだけでさまざまな種類のモーターを容易に制御できるようにした。オープンなAPIも用意。モーターをつなぐ通信インタフェースも統一し、モーターの種類を気にすることなく、自由に接続できるようにした。

 製品化は未定だが、モジュール化によって“動くモノ”の複製が容易になり、ある人が作った動くモノを、まったく違う場所にいる人が改良して別のモノを作る――など、世界中の「MAKERS」によるコラボレーションが可能になると期待。今後は、さまざまな人々が共同・オープンに“動くモノ”を設計できる環境を今後提供していくことも予定しているという。

 同社は2012年から、Arduino互換の小型電子工作ボード「GRリファレンスボード」と、マイコン用のプログラムを簡単に作成できるクラウド環境を提供する「がじぇっとるねさす」というプロジェクトを展開してきた。この電子工作ボードとセンサー、今回提供するモーターモジュールを組み合わせ、さまざまな“動くモノ”を簡単に試作できるようにすることで、新しいモノ作りビジネスの創出に貢献するとしている。

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