「ストリーミングサービス元年といわれる今年、ついに“真打ち”が登場した」――Google日本法人は9月3日、クラウド音楽サービス「Google Play Music」を日本でスタートした。米Googleで同サービスを担当するサミ・ヴァルコネンさんは「日本人はスマートフォンやタブレットの利用率が高い。国内のレーベルと連携しながら日本の音楽市場の成長を支援したい」と意気込む。
Google Play Musicは、国内外のメジャー/インディーズレーベルが提供する3500万曲以上が月額980円で“聴き放題”になるサービス(PC、Android/iOS向け)。有料のサブスクリプションサービスのほか、ユーザーの楽曲データを最大5万曲までクラウドに保存できる無料のロッカー機能、曲やアルバム単位で購入できる独自の音楽ストア機能も提供する。
米国で2013年に開始した同サービスが海外展開するのは日本が60カ国目。日本上陸に当たっては、エイベックス・ミュージック・クリエイティヴやキングレコード、ソニー・ミュージックエンタテインメントといった主要レーベルなど国内外200社と提携を結んだという。
満を持して日本向けサービスを始める背景には、日本の音楽市場の特殊性がある。ヴァルコネンさんによれば、音楽市場全体の売り上げ規模でみると日本は世界2位だが、デジタルコンテンツ分野では後れを取っているという。「米国では音楽市場のうちデジタルの売り上げが71%なのに対し、日本はわずか17%しかない」。日本でもデジタル音楽をスムーズに楽しめる環境を整備することで、マーケット自体を拡大していきたい考えだ。
Apple Musicに続く大手サービスの日本進出に国内レーベルの期待も大きい。ソニー・ミュージックエンタテインメントの今野敏博コーポレートEVPは「ストリーミング元年といわれる今年、ついに“真打”が登場した」とコメント。エイベックス・ミュージック・クリエイティヴの佐藤朝昭取締役は「日本人は音楽にお金を使わない人が全体の3割とも言われる。Googleの市場参入がどう影響するか期待したい」と話す。
今年はApple MusicやLINE MUSICなど、多くの音楽ストリーミングサービスが日本でスタートしている。ヴァルコネンさんは「日本人はスマホやタブレットの利用率が高い“モバイルファースト”な人たち。国内のレーベルと連携しながら音楽市場を成長させるお手伝いをしたい」と話している。
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