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おフランス娘ボーカルシンセ「ALYS」と初デートしてみたら頭がどうにかなりそうに(2/5 ページ)

» 2016年03月15日 08時57分 公開
[松尾公也ITmedia]

 ALYSの歌詞入力はVOCALOIDやUTAU、CeVIOなどに慣れたユーザーにはちょっととっつきにくいかもしれない。Alter/EgoはDAWプラグインとしてインストールされるので、ソフトウェアシンセとしてトラックを1つ作り、そこからAlter/Egoのコントロール画面を呼び出して、そこから入力する。

 DAWプラグインとして使えるというところは、VOCALOID Editor for CubaseやPiapro Studioと似ているのだが、この2つはどちらも音符1つひとつに歌詞を割り当てることができる。それに対して、Alter/Egoのほうは、歌詞を別に管理しておいて、再生時に同期するという形をとっている。

 このやり方にはメリットもある。Alter/Egoはリアルタイム入力ができるため、あらかじめ歌詞をコントロール画面に登録しておいて、MIDIキーボードで歌を鳴らしながら入力していくことができるのだ。今回はこのやり方で入力してみた。

 ALYSには音色、ビブラート、エフェクトなどかなり多くのパラメータが用意されているが、そのほとんどはMIDIのCC(コントロールチェンジ)で制御できる。リアルタイムレコーディング時に変化させることも、DAWで後で変更することも、どちらも可能だ。

 これらのパラメータを変更して最適なものにしたら、それをシンガーのテンプレートとして保存することができる。

photo 歌詞入力画面

 では歌詞を入れていこう。歌詞は音符を入れるところと別のウィンドウに入力していく。日本語は基本的にひらがなで入力できるが、VOCALOIDと同じようにX-SAMPAという国際標準の発音記号記法も併用することができる。

 普通にひらがなで日本語入力することができるのだが、なぜかリエゾンしてしまうのはフランス娘だからだろうか。例えば、「びー」と伸ばした音の次の歌詞が「さ」だと、「びーっす」みたいなおかしな語尾になってしまう。これを防ぐために、作例ではトラックの音量をそこだけ落としていたのだが、次に続く音に影響されない「#」という記号を最後に入れることで回避できるというのを、関係者のツイートで知った。これは覚えておくべきだろう(動画作成時にはそのやり方に気づいていなかった)。

photo このみせにくるたびの最後がリエゾンしないように#記号をつけた

 詳しいTipsは、米国在住のボカロP、Giraffeyさんによる、VOCALOID、UTAUユーザー向けの導入ガイドがわかりやすい。英語だがマニュアルとの併読をお勧めしたい。

 歌詞と音符1つひとつを結びつけることはできないが、どのタイミングでどの歌詞を使うかを音符の形で割り当てることはできる。歌声ではまず使うことのない。最低音のC-2から半音上げるごとに00、01、02といった歌詞をアサインできる。同じ歌詞が何カ所か出る場合には、同じ音高の音符を置けばよいので、便利なことも多い。

photo C-2の位置に音符を置くと、歌詞00の「あなたを〜」が割り当てられる

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